2014年2月5日(水)深夜2:29〜3:29
BS日テレでは3月1日(土)朝7:00〜8:00に放送

指 揮 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
管弦楽 読売日本交響楽団
司 会 松井咲子(AKB48)
ゲスト 倉田 優(読響首席フルート奏者)

ブルックナー作曲:
交響曲第4番 変ホ長調 WAB.104<ロマンティック>から第1楽章、第4楽章

※2013年10月12日 サントリーホール



≪フルートの魅力に迫る!≫
ゲストに首席フルート奏者の倉田優さんをお招きし、様々なフルートの種類やフルートの魅力について教えて頂きました。

倉田 優(読響首席フルート奏者)
桐朋学園大学音楽学部を経て、イギリスへ留学。
「THE STUDIO」でトレバー・ワイにフルートを学ぶ。英国王立音楽院大学院修了後、フランスに留学。現在、読響首席フルート奏者として活躍。

様々なフルート大集合!!

倉田さんが普段使用しているフルートは総銀製のもの。
その他に、木や金で作られたフルートもあり、
素材によって音色や音質が変わってくる。

フルートの原型「トラヴェルソ」。
木の筒に穴が開いたシンプルな構造。

「フルート・ダモーレ」は普通のフルートよりも長く、音も太く深い音色がする。
今倉田さんが1番魅力を感じているフルートです。

高い音域が出る「ピッコロ」。
読響では2番フルート奏者が担当。


「アルト・フルート」や「バス・フルート」のように、
楽器自体が大きくなるにつれて音域も低くなる

こちらは、とてもフルートとは思えないほど巨大な
「コントラバス・フルート」!!
大きさの違いは一目瞭然です。

〜倉田 優(読響首席フルート奏者)×松井咲子(AKB48)〜
♪フルートを始めたきっかけ
松井 倉田さんがフルートを始めたきっかけは何ですか?
倉田 きっかけはあまり良い話ではないのですが…私は小学校は
    京都の進学校に通っていたのですね。ですが6年生の時に
    担任の先生から、あまりにも勉強の成績が悪いのでこのままだと
    中学進学が無理だと言われ、そこで母親に相談したところ、
    その時唯一体育と音楽だけは得意だったみたいなので、音楽の
    道に進もうと小6で将来の道が決まりまして、見た目のキレイな
    フルートを選びました。

松井 初めてみてすぐに出来ましたか?
倉田 できないです。でも音楽の道に進むと決めて始めたことなので、とにかくちゃんとやろうと。
「THE STUDIO」とは
奏者トレバー・ワイがイギリスの自宅に創立したプライベートスクール。世界中から集まった6人による少数精鋭のグループレッスン。スクールのある村ではヤギや牛などの動物が多く自然豊かな環境の中でレッスンが行われる。
♪プライベートスクール「THE STUDIO」
松井 そこでは普段どのようなレッスンが行われていましたか?
倉田 朝9時ぴったりからみんなで必ず一緒にすさまじい基礎練習が
    始まります。即興演奏の練習もあって、先生がピアノでハーモニーを
    弾いて、それにメロディをつけていくのですが、うまく出来なかった子は
    一歩後ろに下がって座って待っている…ということもありました。

♪コンクールについて

松井 現在はコンクールで審査員をされているとのことですが、私も小さい
    コンクールに出たりしていたんですけど…

倉田 1月に放送された「TEPPEN」見ました。すばらしかったですね。
    おめでとうございます。

松井 ありがとうございます。
倉田 あれはどれくらい練習したんですか?
松井 期間は一ヶ月弱でした。普段のコンクールだと一ヶ月で準備する
    ことなんてないですが、それによって自分を追い込めました。

松井 コンクールでは審査員の方の中で意見や評価が分かれることもあると思うのですが…
倉田 個人的には、コンクールであっても聞き手に届く演奏をしてもらうのが一番いいと思っています。一度だけそういう演奏を
    聞いた事があって、今まで聞いた事もない本当に美しいバッハを演奏した受験者がいて、もう涙が出て採点どころじゃ
    なかったです。それで家に帰って自分もあんな音出したいと思って吹いてみたら全然違ってすごく落ち込むという…。

松井 審査員の方も、演奏している方から得るものもあるのですね。
倉田 いっぱいあります。

≪90歳のマエストロ・スクロヴァチェフスキ≫

昨年10月3日東京オペラシティにて、90歳の誕生日を迎えられたスタニスラフ・スクロヴァチェフスキさん。演奏終了後カーテンコールが続く中、オーケストラがサプライズで「ハッピー・バースデー」(読響打楽器・野本洋介編曲)を演奏。突然の出来事に驚きを隠せないマエストロでしたが、少し照れながらもとても嬉しそうな笑顔で、会場中から祝福を受けました。

そんなマエストロについて倉田さんは…
「毎回リハーサルで真剣に音楽に取り組まれる姿は神の世界に近いところがあります。私たち団員のエネルギーも吸い取られてしまうので、マエストロの本番の時はリハーサル前からちゃんと体調を整えないといけません。たまに見せてくれる笑顔に救われます。」
そんなマエストロ渾身のブルックナー交響曲第4番<ロマンティック>。
放送では第1楽章、第4楽章のみお送りしましたが、番組HPでは今回放送した「ブルックナー/交響曲第4番<ロマンティック>」を全曲ノーカットで無料動画配信しています。詳しくはこちら

読響コンサートへの誘い!!〜 from 渡部玄一(チェロ)

チェロ
渡部玄一さん

3月12日(水) 19:00
サントリーホール


ドヴォルザーク
レクイエム 作品89


指揮 下野竜也
ソプラノ 中嶋彰子  メゾ・ソプラノ 藤村実穂子
テナー 吉田浩之  バス 妻屋秀和
合唱 国立音楽大学合唱団

ドヴォルザークはすばらしい宗教曲を書きました。彼は子供を亡くしたときに「スターバト・マーテル」を書き、その十数年後にこの「レクイエム」を書きました。彼は当時カトリックの国に住んでいて、カトリックの典礼にのっとった、大変美しく古式にのっとった形式で書かれ、心の底から炯々に神と死者を慰撫する気持ちが表れていると思います。感動的な曲なので是非楽しんでください。

コンサートの詳細は読売日響ホームページ http://yomikyo.or.jp/をご覧下さい。

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(読響桂冠名誉指揮者)Stanislaw Skrowaczewski(Conductor)
2007年から読響の第8代常任指揮者を務め、10年4月からは桂冠名誉指揮者の地位にある。世界最高齢の指揮者の一人として知られており、来日中の10月3日には90歳の誕生日を迎える。常任指揮者時代から伝説的な名演を数多く成し遂げ、楽団員から大きな尊敬を集め、聴衆から熱狂的に支持されている。
1923年10月3日、ポーランドのリヴォフ(現在はウクライナ領)生まれ。4歳でヴァイオリンとピアノを始め、7歳でオーケストラ曲を書き、11歳で公式リサイタルを開いてピアニストとしてデビュー。しかし、第2次世界大戦中に空襲で負った手の傷が元で、ピアニストの道を断念。以降、作曲と指揮の勉強に向かった。大戦終結後、クラクフでワルシャワ・フィルを指揮した際、時のフランス大使が感動したことが縁となり、奨学金を受けて2年間、パリに留学。まだ、西側に出ることが困難な時代だったが、そのパリで熱心に作曲を学んだ。
40年代後半から本格的な指揮活動に入り、ポーランド各地のオーケストラの指揮者や音楽監督を歴任し、56年にはローマの国際指揮者コンクールで優勝した。クリーヴランド管を指揮した58年のアメリカ・デビュー以降、アメリカ各地のオーケストラに客演。その後、60年から20年近くにわたってミネソタ管の音楽監督を務めた。その後はワルシャワ国立響の首席指揮者、英・ハレ館の首席指揮者を務め、現在はミネソタ管の桂冠指揮者のほか、ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルの首席客演指揮者の地位にある。アメリカ国籍を得て、ミネアポリスを拠点に世界各地で活躍している。近年はベルリン・フィルやhr響(旧フランクフルト放送響)などに客演し、絶大な人気を得ている。 生誕90年を記念して、読響との近年の演奏を収録した2枚組CD「ベートーヴェン/交響曲第3番<英雄>、第4番、第5番ほか」が10月2日に発売された。