6月中旬、いつものように元気よく学校から帰ってきた悠太と翔太。
この日、子供達が一目散に向かった先は、前の家にはなかった大きな庭でした。
そしてその庭に埋めたものは学校からもらってきた小さな小さな植物の種。
悠太が埋めたのはひまわり、一方翔太がうめたものはあさがお。
2人はこの学校から貰ってきた花が新しい家に咲くのを楽しみに、
この夏、来る日も来る日も見守り続けていました。

しかし、今年の東京の夏は10年ぶりの長雨と記録的な冷夏。
植物にとって最悪の状況の中で花を咲かせる為、
ケチケチ茂子の植物奮闘記が始まりました。

それは今年の6月も終わりの頃…
悠太「お母ちゃん!来て!ひまわりの芽が出たんだ!」
茂子が庭に出てみると、悠太の植えたひまわりの芽が順調に成長していました。
しかし・・・

茂子「翔太は何植えたんや?」
翔太「あさがお埋めた・・・」

しかし、ひまわりとは違い翔太の植えたあさがおは一向に芽をだしません。
通常、朝顔は5日ほどで発芽する。
しかしそれ以降発芽しない場合は土の中で、種は死んでいることが多いのです。
悲しそうに庭を見つめる翔太。


茂子「大丈夫、もう一つ種持ってきてみ!」
と新しいあさがおの種を突然、はさみで切る。
実は朝顔の種はひまわりと違い皮が硬く、吸水性が悪いので、
はさみで少し傷をつけると発芽しやすくなるのである。
その種をもう一度庭に埋める翔太。
茂子「これで、大丈夫やで」 
翔太「うん」

そして見守ること5日後、翔太のあさがおも茂子の愛情で無事に発芽しました。