今度は守備陣も配し、万全の体勢で望む注目の一投。
「カキィンッ」
その打球は、センターとレフトの間を抜ける長打となった。
江夏さん「OK、OK、ナイスピッチャー」
そう、長打が出たということは、ストライクど真ん中にボールが入ったということ。
満面の笑みで両手を天に突き上げる太一。
チェックしてみると、江夏さんの指導どおり右手の振りがおさえられていた。
太一「今、いい球だったぁ!自分でも驚いてる…!」
うれしさのあまり顔がゆがんでしまう太一。


そして、
アナウンス「後攻 沖山眞彦」
眞彦くん「はいっ!!」
緊張しつつも自分の左手を信じてマウンドに向かう。
太一「練習どおりなー!!」
太一の掛声を受け、いよいよ第1球目。

審判斉田さん「ストラーイク!!」
太一「入った…!」
その球速50.9キロ。3週間前に比べ、4キロのアップ!
そのボールはキャッチャーミットに吸い込まれ、文句無しのストライク。
投球フォームは依然にくらべ、バランスがとれたものとなり、右足も高く上がっていた。
眞彦くんも喜びの笑顔とともに安堵の表情。太一ももちろんうれしい!


江夏さん「立派なもんだ!」
眞彦くんの頭をワシワシなでる江夏さん。
伝説の左腕からお墨付きをいただきくことができた!