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男米の穂が垂れ始めた9月上旬。
やはり男米とは生育方法が違うのか、黒米は葉イモチ病で出穂が遅れていた。
どうやら秋に入っての気温の低下とともに生長が止まってしまったようだった。
それに対して赤米は順調に実を熟し、殻をむいてみると中には赤い米粒がしっかり詰まっていた。
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11月下旬。相変わらず赤米は色も粒ぞろいも上々の様子。ただしこれは玄米。新米を味わう夜に向けて水車小屋で精米を急ぐ。
夜の宴に用意したい古代米の新米、その宴とは古来から伝わる長寿の祝い「喜寿」。
喜寿とは “喜”を草書体で書くと“七十七”と読めるため、この77歳を今年迎えたのが、いつもお世話になっている明雄さんだった。
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古代米もその準備のひとつ。そしてもうひとつお祝いのために明雄さんに内緒で進めていた計画があった。
それは、明雄さんが見せてくれた昔のアルバム。若い頃の明雄さんが写った写真を見て、男たちは思った。
この味わいあるかつての写真で、明雄さんの喜寿の思い出を残したい!
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