あまりに大胆の調理法だが、実際に食べてみると「真子」と呼ばれるモクズガニの卵や身が絡み合い、なんともまろやかで上品な味わい。
当然のカニ本来の風味も抜群で、しょっぱなからここでしか味わえない郷土鍋を楽しむことができたのだった。

一方、雪深い秋田県湯沢市にやってきた城島と長瀬。
2人が狙っているのは、この地方で「ひろっこ」と呼ばれる食材。それはいわゆるネギやニンニクの仲間で、この時期雪の積もった畑の中にひっそりと育つのだという。
さっそくひろっこを栽培している畑へとやってきた2人は、寒風吹きすさぶなか雪を掘り、その中からひろっこを探してゆく。が、日の光にあたると変色し青臭くなってしまうひろっこは、この時期はまだ色も白く雪の中でなかなか見つからないのだった。

ようやく見つけて掘り出したひろっこを水で洗い、さっそくここ湯沢地方に伝わる「ひろっこ鍋」をいただくことに。
生で食べると辛いひろっこだが、火を通して鍋にすると一気に甘みが増し、他の具材を差し置いて鍋の主役に踊り出る。冷えた体に甘みと暖かさが染み渡る湯沢の家庭料理であった。