直江津駅を出た長瀬を待っていたのは、横殴りの吹雪だった。この悪天候が長瀬に味方するのか、それとも仇となるのか、とにかく海まで一直線に歩き出すしかなかった。
そして、一方の刑事たちも条件は同じ。すでに交通機関もないこの場所で、歩いて長瀬を探し回る。だが、そんな刑事たちには最後の奥の手が残っていた。それは残り1回となった発信機の位置確認だった。

長瀬にとっては最悪の事態。大きく移動することのできないこの場所で場所を知られれば、多勢に無勢で一気に追い詰められてしまう。・・・そして!
達也「あっ!いたいた!!」
太一「待てーッ!!」

ついに発見された長瀬。だが海まではあと500mも無い地点。これを凌げばもう逃げ切ることができるはず!

そう考え、とっさに民家のビニール小屋に身を隠した長瀬。息を潜め達也たちが立ち去るのをひたすら待つ。
しかしこの時、5回の位置発信を使い切りすでに役目を終えたはずの隊長型発信機が、刑事たちにその居場所を伝えてしまった!
なんとその黄色い姿がビニール小屋の外にまで透けて見えており、長瀬が身を隠していることが筒抜けになっていたのだ。