ここからは、いよいよ糸紡ぎの作業。
4年前に村で綿花から木綿糸を作った際は、糸車を手で回し、糸を紡いだが、繊維が強く長い羊毛は、足踏み式の糸車を使い、足で踏車輪を回し、両手で糸を紡ぐ。
鈴木先生「手と足のタイミングが大事」
鈴木先生のお手本を拝見した後、早速、城島が挑戦。
順調な滑り出しだったが、それも始めだけだった。
城島「難しいな、これ」
出来上がったものは、毛糸には程遠い出来栄えに…。
一方、松岡は、慌てる様子もなく、得意のドラムを思わせる足使いで滑らかに、細く、糸を紡ぎ出していく。

夏の間、糸を紡ぐ作業は進み、コツをすぐつかんだ長瀬は、順調に足踏み糸車を回していく。
長瀬「絶対暖かいでしょ」
その横で、明雄さんへの腹巻だと思っている城島も、たどたどしい手つきの中、なんとか紡ぎ
こうしてひと夏紡いだ800gの羊毛は、長さにして1400mとなった。
達也「これ暖かそうだね」
木綿糸とはまた違った手ごたえに仕上がったが、暖かいセーターにするにはもう一工夫。

鈴木先生「暖かいセーターにするには、これを双糸にしていきたい」
二子糸とも言われ、2本の糸をより合せることで、ふっくらとした丈夫な糸にする。
再び、ヨリをかけながら、2本の単糸を足踏み糸車で1本の双糸に。
達也「毛糸になってる」
この作業を続け、暖かな毛糸に仕上がったのは、茅葺屋根の補修が始まった9月の終わり。