凧作りの参考にと加藤さんが、学習机程の大きなカバンから取り出したのは、折り畳まれた凧。
広げてみれば、タコの形をした全長25mの立体凧。
それは、取り込んだ空気を骨代わりとする“フローフォーム・カイト 凧の八兵衛"。

前方に空けられた空気口から、袋状の体に風を取り入れ、立体的な形状を保ちながら空へ揚がる“凧の八兵衛"。
このフローフォーム・カイトの構造で100倍アヒル村長を作る事に決定。
凧作りのポイントは3つ。
凧を膨らます空気の取り入れ口となる、村長のクチバシ。
浮かべるのに適した軽くて丈夫な生地。球体ボディの揚力アップ。

生地探しに2人が向かったのは、加藤さんの作業場“カイト村"。
はじき出した100倍村長に使う生地の表面積は、約600平米。
そんな大凧に使われる生地は、丈夫かつ軽量でなくてはならない。
そこで2人が選んだ生地は、“リップストップポリエステル"。
格子状に繊維を織り込んでいる為、破れが広がりにくく、通常のポリエステルの3倍の強度を持つ素材。
ヨットの帆や、パラグライダーにも用いられる。