そして、現在、主に店を切り盛りするのが、息子の三代目、悟郎さん。
親子2代、スタッフ総勢5名で、年間およそ8万本の鰹節をつくっている。
そんな神山鰹節店の鰹節に高い値段がつく理由とは?
悟郎さん「脂分が少ない鰹が、ダシが出て苦味も少ない」
つまり、この時期獲れる、脂の少ない上り鰹の方が、よくダシが出る鰹節になるという。
さらに、味だけでなく、形も値段を左右する。
生の切り身から、硬い鰹節になるまで、たくさんのこだわりがつまっている。

まず、切った鰹の身を2時間ほど煮るが、名人のこだわりは、その微妙な温度調整。
身が崩れないように、沸騰ぎりぎりの95℃で美しい形を保つ。
そしてここからが、アルバイトの仕事。
悟郎さん「鰹の骨抜き」
改めて見ると、完成した鰹節に骨はない。
煮上がった美しい身を崩さず、隠れているおよそ30本の骨を手作業でキレイに抜かなくてはならない。
これが二人の午前中の業務となる。

業務用エプロンをお借りし、いざ開始。
身が崩れると商品価値が下がるため、失敗はできない。
ピンセットのような骨抜き専用の道具で一本ずつ骨を抜いていく。
まずはこの道20年、悟郎さんの奥さん、みどりさんにお手本を見せて頂く。
達也「結構、簡単じゃないですか」
その手早さ、手際の良さに一見簡単そうに見えるが、一度煮た柔らかい身は、一つ間違えればすぐに崩れてしまう。