春の穏やかな陽気に誘われ、虫たちが動きまわる頃、島の男たちも、慌ただしく動いていた。
幾度となくトロッコで運ぶのは、京都・伊根町から頂いた、歴史ある舟屋を解体した有り難い材木23本。
これらを、自分の手でDASH島へ運びたいと、達也が1級小型船舶免許を取得し、船長としての初航海で島へと届けた。
そして、長い歴史を刻んだ材木は、新たな舟屋に生まれ変わる。
だが、そんな無人島での大仕事は、苦難の道の始まりでもあった…。

この日の材木運びは、太一と長瀬。
実は太一、初めてのトロッコ乗車の際、下り坂で落下しお尻を強打。
それが、トラウマとなり、トロッコが苦手となっていた。
だが、それでも前に進まねばと、材木運びに精を出す。
基地となる舟屋を建てるのは、港跡の奥の入り江。
そこへ、島に運び込んだ舟屋の材木を4日がかりで移動した。
島にあった材木と合わせて、使えそうなものは63本。
長さ太さ共にバラバラだが、どう組み立てていくのか?

作業は、舟屋のプロ・尾谷棟梁に指南を受けながら。
尾谷さん「長柱(ながばしら)っていう柱から(組む)」
まずは、舟屋を支える6本の長い柱。
1本あたり5mほど必要なので、それに見合った長い材木を探す。
いくつかの材木を大工道具・尺貫法のメジャーで測ってみると、およそ162寸あって、長柱になりそうなのは5本。
あと1本は、太さ強さは申し分ないが長柱とするには50cmほど短い。
達也は「(材木を)継ぎ足そうか」
そう、達也は12年前に経験済みだった。