拳は、そのゴム風船にボクシンググローブを付けてそれっぽく。
ゴム風船をひっぱり伸ばした状態で、拳側を悪役の忍者が持ち、城島は反対側を肩に巻き付ける。
悪役忍者がグローブを離し、ゴムが勢いよく縮んだところを城島がキャッチすれば、逆再生時にパンチを放った様に見えるはず。

しかし、上手くキャッチできず、苦戦する城島。
それでも、撮ったものを逆再生でチェックしてみれば、そこそこの出来栄え。
長瀬監督はOKを出したものの、この男は、
城島「監督、もう一回いいですか?」
主演俳優としてのプライドが妥協を許さなかった。
ならば、テイク2。
今度は勢いよく戻ってきたグローブを、見事にキャッチ!
長瀬「カット!今日の名シーンだよ!」

続く、シーン4。
悪役忍者の反撃、背後から無数に飛んでくる手裏剣を、茂太郎は振り向かずによける。
この逆再生の撮影は、すでに壁に刺さった手裏剣を釣り糸で引っ張り、勢いよく壁に向かってくる手裏剣を表現。
城島は首を傾けて、タイミング良くよけているような動きをする。
さっそく逆再生でチェックしてみると、
長瀬「悪くないねえ」
文句なし、監督も納得のカット。