どうしてもつくりたかったのが、この味噌。
日本の食卓には欠かせない味噌は、鍋に、汁に、そして、たれなどにして様々な料理の味をおいしく、体温まる味に引き立ててくれる。
DASH村ではいずれもDASH村でとれた米と小麦をつかって、昔から家庭で手作り味噌をつくり続けてきた三瓶孝子さんに教えてもらいながら、1年間にわたる米味噌・麦味噌づくりに挑んだ。


『米麹、麦麹づくり』

手づくりの味噌とは、大豆を煮てつぶしたものに、米や麦をもとにつくった麹と塩を加え、樽の中でじっくり発酵させ熟成されてできあがる。
まずは、その仕込みで、味噌の種ともいえる、米麹、麦麹づくり。
水に浸した米と小麦を、かまどでせいろにかけて蒸す。蒸した米と麦は、冷め切らないうちに麹菌を乾燥させた種麹を加え、よく混ぜる。
この麹が米や小麦から栄養を吸収し、きれいに花を咲かせるように発酵すれば麹の準備完了。布と藁で覆い、その上から湯たんぽをのせて3日間温め、増殖をうながす。


『仕込み』

米麹、麦麹のもとを、温め続けること3日。様子を見てみると、多少、変色しているところもあったが、それぞれ、独特の香りが広がり、順調に発酵していた。
これを、茹でてつぶした大豆としっかり混ぜる。そして、味付けと雑菌の繁殖を抑えるための塩を加えてさらに混ぜ、樽に余分な空気を追い出すために強く投げつけるように移し、仕込み完了。蓋と重石を載せ涼しいところに味噌を寝かせる。

『天地返し』

天地返しとは、味噌の中身をかきまぜ、空気に触れさせて熟成を早めようとする作業。米味噌、麦味噌ともに行う。



『かび取り』

それぞれの味噌の様子を見てみると、米味噌は、茶色く、味噌らしくなってきたものの、表面には白と黒のかびが繁殖していた。しかし、このかびは表面だけで中の方には繁殖していない模様。表面の黒いカビを丁寧にひとつひとつとり、味噌をよく混ぜる。
そして、麦味噌は、特にかびも無く、順調に熟成続けている様子だったため、再び、発酵を促すため底の部分からしっかりかき回す天地返しの作業に。
米味噌も天地返しを行い、熟成はようやく最終段階に。


『秋の様子見』

米の刈り入れのころ、様子を見てみると、いずれの味噌も、かびもなく、味噌らしいいい色になってきた。
ただ、味見をしてみると、ちょっとしょっぱい。そこで、孝子さんの麹を追加すると甘味が増しておいしくなるとのアドバイスを受け、味を調整。麹を加え、しっかりとかき回し、仕上げの熟成に向け、さらに寝かす。

『味噌、できあがり』

仕込みから1年余り。樽の中は、ほどよい味噌の茶色に変わり、じんわりとした香りが漂ってきた。味を見てみると、しょっぱすぎず、甘くもなく、深い味。
孝子さんのお墨付きも頂き、DASH村の手づくり味噌、ようやく完成。
この味噌は、お雑煮、田楽、みそまんじゅう、甘酒、味噌焼きおにぎりなどの味噌料理で味わった。