「今年はよく降りますね」 「んだなぁ」 ここで生まれ育ち全てを分かっているかのような僕の生意気な言葉に、明雄さんはそう答えてくれた。そして、僕は嬉しくなった。 |
僕と明雄さんの会話はとてもシンプルだ。まるでクイズみたいな会話。問題が出て、答えて、正しい答えを聞く、そんな簡単な流れだ。でも、最初の問題を出すのは僕でも明雄さんでもなく、その時二人が見ているモノ。そして、そのモノについて僕がいつも一言何か言う。そうすると、明雄さんがいつも答えを教えてくれる。 |
役場の中から窓ガラス越しに降ったり止んだりを繰り返す外の雪を眺めて、明雄さんが「んだなぁ」の一言で言葉を終えた時、まるで「大正解!!」と言われたような気がして、僕は一人で喜んだ。 今週で今年が終わるけれど、こういった会話は来年もまた続けていきたいと思った。 そして、来年はもっと多くを学べる一年にしたい。 |