清々しい太陽の光と共に始まった2007年。
正月もあっという間に過ぎ、正月を挟んだ仕事も大詰めを迎えていた。
  その仕事とは、「白い結晶」を作ること。それはただの結晶ではなく、まして雪でもない、白く輝く甘い「砂糖の結晶」。

 2年前、日照不足で悩みながらもなんとか栽培した「さとうきび」。その汁から作った黒砂糖もまた格別な味だった。
  しかし、今回は「黒」ではなく「白の砂糖」。本当に白い砂糖の結晶ができるのかとても心配だった。




 心配の理由は、砂糖の原料である甜菜がうまく育たなかったからだ。今年は長雨で、甜菜の半分が根腐れし、枯れてしまった。そんな中、無事生き残った甜菜は糖度が低く、そんな甜菜で甘い砂糖ができるのか不安だった。しかし、そんな心配をよそに砂糖づくりは着々と進み、最後の仕上げを迎えた。
 すり鉢で細かくすり潰した砂糖は1粒1粒キラキラと輝き出し、それは、雪の結晶に負けないぐらい綺麗だった。白く輝く結晶の甘さはスーパーの砂糖と違い、「柔らかく」「甘すぎず」「優しい味」。こんな砂糖を食べたのは初めてかもしれない。そのぐらいおいしかった。

 去年、今年と暖冬ということもあり、雪の結晶はなかなか見れないけれど、白い砂糖の結晶があれば十分かもしれない。そんなことを思っていた矢先、空から雪が降ってきた。雪も砂糖に負けたくなかったのだろうか・・・・・

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