「大寒」一年のうちで最も寒さが厳しくなるというこの季節。間近の村は、骨の髄まで染み入る寒さが続いている。
今から思うと「今年は暖冬」といわれていたこと自体が疑わしい。
 でも、今からでも遅くはない。「暖冬」が嘘だったにしても、少しでも、ほんの少しでも暖かくなってくれないものだろうか・・・そんなことばかりを考えている。そして、考えているうちにどんどん指先の感覚がなくなっていく。本当に寒い。

 そんな中、この寒さのおかげで綺麗に輝くものもあった。
それは、「冬の田んぼ」。
 夏は鮮やかな緑色、秋はまぶしいくらいの黄金色、そして冬の田んぼは寒いけれどなんだか暖かい白色に輝いていた。それは、去年稲刈り後に田んぼに溜めておいた水が、氷点下が続くこの天気で白く凍ったから。その氷は、雪のように真っ白ではなく半透明な優しい白。見てるだけで落ち着いた気分になれる。
 そしてさらにこの田んぼの氷は、朝夕別々の色に輝く。朝日が昇る時は黄金色。夕日の時は氷が溶けてしまうような赤色。本当に1日中田んぼを見つめていても飽きないぐらい。
 また、肌を刺すようなこの寒さがよりいっそう田んぼの美しさを演出している。でもやっぱり寒い。




 こんな寒い中、一人だけ元気なやつがいた。それは「犬は喜び庭駆け回り・・・」と冬の歌の定番にもなっている犬の「北登」だ。散歩に行っても、私が寒くて震えている中、楽しそうにシッポをふっている。
ほんと、寒さに強い北登の毛を少しわけてもらいたい・・・・・・

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