春を告げる白い花。それは「コブシ」の花。
春の空いっぱいに咲き誇るコブシの花は、清純で美しく、なんと言っても青空が似合う。
 遠くから見ても白く輝くコブシは、いち早く里山を鮮やかにし、春をもたらす。

そんなコブシには「友情、歓迎、信頼」という花言葉がある。見た目通り、春にふさわしい言葉。コブシを見ると私の心も綺麗な白色に染まる気がする。そしてなんだかふるさとを思いだす。不思議な花だ。




 コブシは、別名「田打ち桜(タウチザクラ)」とも言う。それは、かつてこの花の開花が、 田植えなどの農作業の目安とされてきたからみたい。
 そして、コブシの花は田植えの時期を知らせるだけでなく、一年の気候を占うことができる。明雄さんが言うには、花が上を向いていると晴天の日が多く、下を向いていると雨の日が多いとのこと。今年、村のコブシは下を向いている花が多いみたい。大雨や台風に気をつけなければ。

 そんな田打ち桜が見守る中、村の里桜がとうとう咲き始めた。1輪、2輪・・。淡いピンクで大きな花びら。咲く前から「きっと綺麗なんだろうな」とは思っていたけれど、本物を目の前にして思わず「綺麗だな」と口に出してしまった。2分咲きでこんなに綺麗なのであれば満開になったらどうなるのだろう。想像するだけでもわくわくする。梅か桜か揺らいでいた気持ちも、満開になってしまったら完全に桜派になるかもしれない・・・・

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