寒の入りを迎え、村は一気に寒くなった。
年末年始の暖かさはどこにいってしまったのだろう。あの暖かい太陽が懐かしい。
 本来、1月20日頃の「大寒」と呼ばれる日が、一年間で最も寒いとされる季節で、寒の入りである「小寒」は、寒さが厳しくなる前のことを言うが、「小寒」でも私にとっては充分な「大寒」だ。小であろうと大であろうと、やっぱり寒いものは寒い。

 去年が暖冬だったから余計寒さを感じるのかもしれないが、覚悟をしてても、いざこの寒さを肌で実感してしまうと、辛いと思ってしまう。手は凍るぐらい冷たく、痛くなったりもする。そして、あっという間に土や水も凍り、作業するのも大変。




 村人になって2回目の冬とは言え、やはり寒さには慣れというものが存在しないということが分かった。そんなことを考えながら、掘りごたつから外に出れない私がいる。まさにこれが「こたつマジック」で、一回こたつに入るとなかなか外に出れないのだ。
 そんなマジックにはまって打ち震えている中、こたつなど必要ないくらい元気なやつがいた。それは「さくら子」。
さくら子にとっては初めての冬で初めての小寒。ほんと初めてというのは怖いもの知らずとでもいおうか、寒いのも気にせず楽しそうに遊んでいる。本当に若いというのは羨ましい。

26歳の私が言う言葉ではないが、小学校の私なら、この寒さを楽しんでいただろう。
 元気なさくら子を見習って、私も外に出ようと思うが、やっぱり、掘りごたつから出れない。本当に、こたつマジックはすごい威力だ。

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