梅の蕾もほころんで、やっと村も春めいてきた。
 去年の今頃は満開の状態だったのに、今年はまだ一輪。たくさんの蕾に先がけて春を探るように咲いていた。本当に植物というのは正直なもので、まだ梅一輪だけの暖かさしかないということだろう。

 それは確かにその通りで、4月になったにも関わらず、雪が降ったのには驚いた。霜が降りたかと思えば、今度は雪。さすがに、これだけ冬の天気が続くと本当に春が来るのか心配になってくる。




 そんな不安をよそに、雪の中でも着々と蕾をふくらませている「梅」。
去年も、寒い中一生懸命咲いている「梅」に感動したけれど、今年は雪の中咲いている梅を見て、更に梅のことが好きになった気がする。やっぱり梅は強くて優しい花。
 膨らんでいるのは梅の蕾ばかりでなく、3月に産まれた仔山羊も着々とふっくらとしてきている。

 近くに行くと、私の背中に登って、楽しそうに遊んでいる。居心地がよいのだろうか。ちょっと背中を傾けても、中々背中から降りようとしないし、降りてもすぐに飛び乗ってくる元気さ。
この逞しいメスヤギを見てふと思った。
この仔山羊も、梅のような強い山羊になるかもしれない。

前の週 次の週