梅雨の戻りも終わり、夏本番。
ヒグラシの鳴き声で華やいでいた里山から、「ジー」という耳に残る鳴き声が聞こえてきた。
「エゾゼミ」だ。この声を聞くと、ただでさえ暑いのに、更に暑く感じる。
あまりの暑さにセミの声も「アジーアジー」と言っているようにさえ聞こえる。

 そんなうだるような暑さの中、元気なのはチャコ。初めての夏が楽しいのか牧草地でひたすらに走りまわっている。そんなチャコを見ても、走ろうと思わないのは年のせいだろうか。
本当にこの暑さの中、元気なのは「セミ」と「子供」くらいなのかもしれないと、あらためて思う。




夏の花「ひまわり」も待ちに待った太陽の光をいっぱい浴びて、元気に咲いている。1輪しか咲いていなかった「ひまわり」は、ほぼ咲きそろい金色の綺麗なひまわり畑をつくりあげている。夏の暑さは嫌いだけれど、夏の花は好きだ。黄色や赤といった原色のダイナミックな花たちが、夏バテで疲れきっている私を励ましてくれる気がするからだ。

 ダイナミックな花と言えば、今年は「ヤマユリ」が色々な場所で咲いているのを見かける。夏の花というと「ひまわり」「朝顔」を想像するが、村には夏の野草「ヤマユリ」も欠かせない花。
白くて大きな花びらで、豪快かつ繊細な花。野草というと可憐なものが多いけれど、ヤマユリだけはダイナミックで存在感たっぷりで、魅力的だ。
そんな花からは、いい香りもする。里山のおいしい空気とヤマユリのアロマに癒される感じ。なんとも言えない贅沢な心地よさ。案外、夏も悪くないかもしれない。

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