少し肌寒い夏の朝。 そんな日は自然と目が覚める。さっそく外に出てみると、キラキラ光るものが私の目に飛び込んできた。 |
それは、草木についた「瑞々しい露」。 秋の終わりから冬にかけての霜とは違い、秋の枯れ草などをつたう叙情的イメージがある露。しかしながら夏の露にも独特な魅力がある。 青草や夏野菜たちを濡らす朝露は、夏の暑さにいっときの安らぎと清涼感を与えてくれる。そんな露を見るだけでも、夏の日差しで疲れきった体が癒されるような気がした。本当に不思議。 |
そんな露に癒されているのは、私だけではないようで、青草についていたアリが一生懸命その露を飲んでいた。本当においしそうに飲んでいて、私も1杯飲みたくなってしまった。この暑さでアリも夏バテ気味なのだろう。 |
そんな露をじっと見つめていると、突然私のズボンの裾が勝手に動き出した。何かと思い、恐る恐る折り曲げたズボンの裾の中を見てみると、なんと「クワガタ」が入っていた。いつの間に入ったのだろう。私は知らぬ間にクワガタに癒しの場所を与えていた。 |