暑さ厳しいのは相変わらず。でも日は少しずつ短くなり、朝晩肌に触れる空気もひんやりとしてきた。
一日が早く終わるのは少し寂しい気持ちになるけれど、これも季節が移り変わろうとしている証であり、今その瞬間を味わえることに感謝したいと思った。

 そんな中、「まだまだ夏は終わらせない」と言っているかのように元気に鳴いているのが村のセミ達。ミンミンゼミにエゾゼミにヒグラシ、みんな元気よく鳴いている。




 セミはコミュニケーションのために鳴くこともあるが、基本的には「オスがメスを呼ぶため」に鳴くらしい。そして、驚くことにオスしか鳴かない。
オスは成虫となってからの1週間から1ヶ月という短い人生の中で、なんとか子孫を残すため、メスを呼ぶために一生懸命鳴く。
  ある晩、耳を澄ませていると、真っ暗闇から1匹のセミの声が聞こえた。はじめは、自分の耳を疑った。セミは昼間鳴くものだと思っていたからだ。でも、熱帯夜などはセミも鳴くらしい。

 夜も一生懸命鳴くセミを見て、「生きる」とはこういうことなんだと改めて思った。力がある限り鳴き続け、子孫を残そうとするセミの一生。1分1秒を大切にし、自分の声で精一杯の気持ちを伝える。今の私には到底まねのできないこと。
そんなセミを見て、心で思っているだけでは何も変わらないのだと改めて思った。人間は、言葉という特別なコミュニケーション道具を持っているのだから、少しでも言葉に出して伝えなければ。まずは自分の言葉で、一歩でも進みたいと思う。

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