母屋の軒下にぶらさがる「つらら」。
いったいどこまで伸びるのだろう。日々伸びていく「つらら」を見ていると、何か大きな記録に挑戦しているみたいで嬉しくなる。

そんな「つらら」も、太陽の光を浴びる昼間は少しずつ融けていく。「せっかく伸びたのに」と涙を流しているみたいで少し悲しい気持ちになるけれど、雫となって落ちていく「つらら」もまた魅力的。
太陽の光を浴びてキラキラと輝き、穏やかに融けていく「つらら」の姿は、私の心を癒してくれる。




そんな涙のような雫は気温が下がる夕方にはまた凍りはじめ、朝にはまた少し伸びている。つまり融けて落ちる涙の雫も「つらら」が伸びるためには必要なこと。
そう考えると、「つらら」と「人」は似ているのかもしれない。だって、涙を流す分成長できるのだから。

 そんな貴重な「つらら」をじっと見つめていると、横から「コリコリ」という音が聞こえてきた。なんとチャコが「つらら」をおいしそうに食べていた。
  「つらら」も「人」も、意外に弱いものでもある。

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