寒風の音で目が覚めた朝。
外を覗き見ると、チラチラと小雪が降っていた。
それは朝日にキラキラと輝き、とても綺麗だった。

雲ひとつない青い空に白い雪。遠く離れた山から風に乗ってここまでとんできたのだろう。めったに見られない景色に出会えたことがとても嬉しくて、耳が凍りつくような寒さなど忘れ、思わず見とれてしまった。




 このような晴天の中、降る雪のことを「風花(かざはな)」という。
  舞い散るようにチラチラと落ちてくる雪が、花びらを連想させるかららしい。
  この風花はいつでも見られるというわけではなく、真っ青な青空と強く冷たい風の偶然の巡り合わせがないと生まれない。必要以上に暖かいと雪が山から地平に到達するまでに溶けてしまい、風花にはならないからだ。

そう考えると、私は本当に貴重なものを見たのだと、改めて「風花」の神秘の美しさに感動した。
  大寒迎え日々寒くなる中、冬という季節が「風花」という素晴らしいプレゼントをくれたのかもしれない。

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