「立春」を過ぎ、暦の上ではもう春なのに、まだまだ真冬のような寒さが続いている。
全体的な雪の量こそ少ないものの、この冬も当たり前のように雪は降り、当たり前のように雪は積もる。

雪が降るたび嬉しくなって、雪が降るたび雪の魅力に圧倒される。
  今年もまたそんな雪の魅力に出会った。




それは「雪の花」。これは私が付けた名前であり、本当は「里山の木々に積もった白い雪」のこと。
  枝にバランスよく残っている白い雪達が、少し角度の低い冬の太陽の光を浴びて白く咲きほこる花のように見えるから。
  青空に咲く白い雪の花。冬にしか咲かない綺麗な花に思わず見とれてしまった。
満開の雪の花も、日が当たればあっという間に融けてなくなってしまう。今年の花は桜よりも散るのが早い。

 どんどん融けていく雪の花を見て、少し寂しい気持ちになった。けれど、雪の下から覗かせた桜の蕾を見て少し嬉しい気持ちにもなった。それは、春の兆しを感じた瞬間だった。 
白い雪の花がピンクの花に変わる日も遠くはないのかもしれない。

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