「雪国パイナップル 酸いも甘いも つまってます」

冷え込んだ朝、今日はその寒さで目が覚めた。
ここ数日間で朝晩の空気は一気に冷たくなり、掛け布団なしでは眠れない季節になってきた。
 早起きついでに村内を散歩していると、珍しいものを発見した。
それは黄色に色づきはじめた「イチョウ」。まだ9月初めなのに、もう紅葉が始まったのかと驚いてしまった。おそらく、ここ数日の昼夜の寒暖差の影響かもしれない。ようやく梅雨があけたと思っていたのに、もう紅葉。今年の夏はあまりに短かった。

そんな中、イチョウに負けないくらい黄色く色づいた南国の果物「パイナップル」が収穫を迎えた。
去年5月から始まったパイナップル栽培。ビニールハウスを2重に改築してした『南国ハウス』に「バナナ」や「パッションフルーツ」「マンゴー」と一緒に定植した。はじめはこんなサボテンのような苗からパイナップルができるのか、本当に村でできるのか、と不思議と不安でいっぱいだった。




 しかし葉数が増えて花芽ができ、花が咲いてどんどんパイナップルらしい姿になっていくのを見て、不安はいつの間にか「村でもできるかもしれない」という期待に変っていった。
 葉が枯れたり、赤色になったり、花芽が出なかったりと色々な問題もあったけれど、その都度みんなで協力し合い危機も乗り越え、今年無事収穫を迎えた。
 初めて見る完熟のパイナップルは、お店で売っているものとは全く違い、鮮やかな黄色だった。そして、ハウス内はパイナップルの甘い香りでいっぱいになり、まるで南国にいるみたいだった。

 果肉の色は、完熟した黄金色で程よい酸味と濃厚な甘さで、こんなおいしいパイナップルは初めて食べた。
食感もシャキではなく、柔らかいリンゴを食べているような食感で、何個でも食べられるような気がした。
 まだ5個あるパイナップル、あと5回も食べることができると思うと、今からわくわくする。

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