「収穫の喜び 味わう幸せ」

お盆を過ぎ、残暑を迎えた村の作物は続々と収穫時期を迎えている。
全く野菜の栽培経験のなかった僕は、明雄さんの指導はあったものの不安だらけだった。4月には2度の大雪が降り、それ以降も雨が続いて作物の生長が遅れていた。しかも当初、今年は冷夏になるとも言われていたのでますます不安になった。
けれど、蓋を開けてみれば6月下旬くらいから梅雨まっ只中なのに晴れる日が多く、8月も引き続き晴れ、暑い日が続いた。

日光を燦々に浴びた作物たちは8月頃からたわわに実り始め、いよいよ収穫。実った作物を前に、それを収穫出来るのは本当に幸せだなと思った。先週は続々実るナス、キュウリ、ピーマンを収穫し、今週はトウモロコシを収穫した。




手でもぎっていたが、茎ごと折れてなかなかうまく折れない事もあった。けれど、明雄さんが実の根元と茎を手でしっかり固定してからトウモロコシをもぎるとうまく簡単に折れると教えてくれたので、実際にやってみると綺麗に折れた。今まで何度も食べているのにもぎ方さえも全く知らなかった。皮を剥いていくと黄色く輝く実の詰まったトウモロコシが顔を出したので、思わず生のままかじってみたら、甘くてびっくりした。

自分自身でおいしそうなモノを見極め収穫し、もぎたてをそのまま食べると、こんなに瑞々しくておいしいものなのかと感動したくらいだった。「太陽と自然と大地の恵みの旨みが詰まっているんだな」と思えた。
大抵、店にはすでに収穫されたものが置かれていて、今まではその状態の野菜しか見た事が無かったが、実際に目にして穫ってみると勉強になったし、作物を1から育て、収穫し頂く事で色々なもののありがたみも学べた気がした。

前の週 次の週