「梅もみかんも日本一」

今回の農業研修の地は和歌山県。日本一を誇る梅の名産地で学べるとあって、村の漬物の先生である三瓶孝子さんも農業研修に参加した。孝子さんは家の近くで梅の木を何本も栽培し、採れた梅は毎年梅干しにして、近所の直売店で売ったり、村にもよく差し入れてくれた。しかし、今は村と同じように立ち入れず、今年の梅の収穫は絶望的だった。


後日、色々と学んで帰って来た明雄さんたちの話しを聞くと、僕の知らない事ばかりだったので、一緒に学べなかったのは本当に残念だった。話していた明雄さんも何だか楽しそうだった。梅以外にも、みかんや備長炭など知らない世界ばかりで、話しを聞きながら無意識に「すごいなあ」と連発していた。特に梅は村でも栽培していて、梅干しはもちろん、去年は梅干しの調味料である梅びしおなどを作っていた。
そんな梅はまだまだ雪深い頃に蕾を膨らまし、雪をかぶりながらも花を咲かせたりするので、僕の中で忍耐強い花という印象がある。村の梅は小粒で数もそこまで多くないが、初夏ごろには毎年実をつける。





明雄さんの話しでは、みなべ町の梅は村の何倍も大きく、完熟のものはそのまま食べると甘くて美味しいらしい。正直、酸っぱい梅干しは僕の苦手なものの一つ。けれど、甘いならぜひとも一度味わってみたかった。しかも、梅が甘いというのも想像がつかないので、とても興味もある。
明雄さんがお土産でくれた梅干しは確かに大きく、村の物とは全く違った。話しで聞いていた通り、果肉も肉厚で、梅干しが得意でない僕でも、ハチミツで漬けた物もあり食べやすかった。


村ではまだ実現していない柑橘類の栽培もコツがたくさんあるそうだ。その中の一つが斜面に石を積み石垣を作って栽培する方法だった。石の積み方一つにも方法があり、話しを聞きながらいつか村の古民家裏の法面を石垣にして、みかんがいっぱい栽培出来たらいいなあと夢見ていた。しかし、明雄さんに「村では、冬の寒さが厳しすぎるからみかんの露地栽培は難しい」と言われてしまったが、他の作物にも効果的な方法らしいので取り入れられたらいいな。そして、いつか村に帰ったら、各地で学んだことを活かして寒さに耐えられるみかんを品種改良で作り出せたらいいな。


前の週 次の週