6月上旬 種まき
畑に直播きではなく、稲のように苗床を作り、種蒔きをする。

6月中旬 間引き
すべての苗に満遍なく日光が当たるように間引きをする。
間引きしたエゴマの苗を食べてみると、とても苦かった。

7月上旬 定植
苗も15cmに生長し、畑に定植。
エゴマの苗の生長はとても早く4・5日遅れただけで30cm ほどに伸びてしまう事もあるので時期を逃さないことが重要。枝が伸びることを考え畝幅、株間は広めにとり、全部で200株の苗を植え付けた。


8月上旬 虫対策/中耕
夏を迎え、エゴマの葉に異変が起きた。
「ベニフキノメイガ」というエゴマが大好きな蛾の幼虫が葉を食い荒らしていた。
このままだと、種の収穫量が減ってしまうということで、肥料としてだけではなく、害虫駆除にも効果がある石灰を撒いた。
害虫は、石灰の白色や細かい粉の粒子を嫌うらしい。
そして、虫食いで遅れた生長を取り戻すために、根元の土をほぐし、エゴマの生長を促した。
根元をほぐすと、新鮮な空気が地中に取り込まれ、根の呼吸や栄養素の吸収が促進される。
最後に、土を根元に寄せ風雨等による倒状を防いだ。


9月上旬 開花
シソにとてもよく似た花が咲き始めた。
エゴマ一株には15〜30の枝があり、その枝に5〜6本の花穂がつく。そして、花穂は50〜70 個ほどの花を咲かせる。
稲の穂と同様にやがて、花が咲き実となる部分ができてきた。

9月下旬 結実
花がほぼ咲き終わり、実が出来ているか確かめてみると、白い綺麗な実ができ始めていた。実が種へと成熟するには開花後1ヶ月かかるということで、しばらく様子を見ることに。

10月中旬 刈り取り/乾燥
葉や茎が黄色く変化した時が収穫の目安。実も白色から灰色に変わり、さっそく、根元から刈り取る。
刈り取ったら、立てかけてそのまま乾燥させる。
最後に、鳥に実を食べられないようにネットをかけた。


10月下旬 脱穀・洗い・乾燥・搾油機づくり
黄色かった葉は枯れ、茶色に変化し実も落ちやすい状態に。
乾燥も十分な状態ということで、早速脱穀作業に入る。
ござの上に枯れたエゴマを置き、棒で叩いて実を取り出す。
さらに、箕にかけてゴミだけ落とし、最後に唐箕にかけ細かいゴミと実を分ける。作業を繰り返し、収穫したエゴマの実は約6kg。
これを水洗いし、さらに土やホコリを取る。実は浮いたままで、土やゴミは下に沈む。この洗いの作業を4回繰り返し、綺麗なったら天日干しする。この乾燥が不十分だと上手く油がとれないこともあり、しっかりと乾燥させる。
乾燥の間に、油を絞るための道具を作る。
江戸時代から昭和20年代までは使われていた道具で、油〆などと呼ばれていた。丸く掘った穴に袋に詰めた原料を入れ、クサビを打つとフタに圧力がかかり、油が出てくるしくみ。
村でも丸太をくり抜き手作りの搾油機を作った。



11月上旬 行灯づくり
風で火が消えないように和紙などで囲いをつけた照明を行灯といい、丸行灯は円の半分を開けることができて火の調節をするのに便利な構造になっている。
今回、里山整備で伐採した木を利用して、丸行灯を作る。
行灯の丸い枠は、柔らかいサルナシの蔓を利用し、針金で固定する。支えの棒は竹を使い、周りには村の和紙を貼付けた。


搾油
手作りの搾油機でエゴマ油を絞る。
流れ出る油はキラキラと輝き、とても綺麗だった。
4時間後約1kgのエゴマの実からエゴマ油約70mlが採れた。
早速行灯の皿にエゴマ油を入れ、綿の糸を灯心にし、芯が浮かないようにおもりを置き、火をつける。とても優しい灯りだった。




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