2008年8月 石臼材料探し/秋そば種蒔
昨年夏、収穫を終えた春そばを水車臼で挽いてみると、「粗挽きで粉になっていない」という問題が発生した。2004年の状態と比べてみても明らかに粉質が粗くなってきている。
その原因を探るため、近隣の職人の方を訪ねると、やはり
「石臼の縁が減っている、これでは良いものは挽けない」
と指摘。さらに、「石臼は、上・下臼が重なり、上臼の回転によって粉を挽くもの。最終的に粉質を決めるのは、円周のいわば(すり合わせ)部分。ここが石臼にとって最も重要な箇所」ということで、今後より上質なそば粉を挽くためには、今のものを修正するよりも、新しいものを作ったほうが良いとのことで、新しい石臼づくりに挑戦することになった。
さっそく、職人と石臼の原料となる石を探しに行く。
職人は、今までの村の石臼は「御影石」という石だったが、「安山岩」という石のほうがより石臼に向いていると言う。
安山岩は、多くの気孔や気泡を含み、熱を放出しやすい特性を持つため、熱によってそば粉が傷まず、より上質なそば粉が挽けるらしい。
職人の知り合いの採石場で安山岩を見せて頂けるということで、 会津磐梯山の麓に向かった。すると、推定100トンもの巨大安山岩があり、その中から村の臼のサイズに適した上下臼の2塊を分けてもらうことができた。
その頃、村では石臼の完成に向けて、秋そばの準備。秋そばは、春そばよりもたくさん獲れるらしく、収穫量には期待できそう。今年は大粒な品種の信州大そばを選んだ。 |