張り子とは・・・
型に紙を何枚も張り重ね、乾いてから中の型を抜き取って作った細工物のこと。
首振りの虎に代表される様に、縁起物や子供向けの玩具として現在人々に親しまれている。
廃棄物であった古紙を材料にすると言う廃物利用の産業でもあったため、多くは 都市部の地場産業や、都市近郊農家の副業として発展してきた。
張り子の製法が日本に伝えられたのは室町時代(1393〜1573)で、中国伝来と考えられる。


1.木型づくり
木で型を作る。この作業はノミなどを使い丸みのある型を作る事が重要。

2.のり付け
障子和紙を二次利用する。
一枚一枚のりを付けながら全部で5枚の和紙を張り重ねる。

3.型づくり
まず木型に、後で紙が剥がれ易いよう油を塗り、5枚重ね張りした紙を型に押し付け成型する。のりを手に付けつつ、和紙をのばし、押しつつ、こすりつける様な要領で貼り付けていく。頭と胴体を木型に貼ったら、一晩囲炉裏の上で充分乾燥させる。

4.型切り
乾燥が終わったら、外側の和紙を小刀で切り、型を取り出す。

5.背張り
型切りで、切り込みの入ってしまった箇所に、再度和紙を張り補強する。

6.白塗り
張り子を硬く丈夫にするために、胡粉(ごふん)を塗る。
胡粉とは、貝殻を原料とした顔料で、日本人形や日本画などの下地に用いられる。よくハマグリなどが使われるが村では畑の肥料用のアサリを使って作った。この粉塵を紙に塗るには、墨づくりでも使った動物性のゼラチン質の膠(にかわ)が必要ということで、膠と胡粉と混ぜ、更に団子状に練って叩いた。こうする事でムラなく丈夫に塗り付けられる。
胡粉の液は熱いうちにむらなく塗り、2週間ほどしっかりと乾かせる。

7.絵付け
豊作祈願ということで、干支の牛と村長のだるまを作り、黒色は村で作った墨。赤色は、紅花。村長の黄色も紅花の色を利用した。村長のだるまの片目だけは豊作祈願が実った時に書き込むために残した。

8.仕上げ
糸と針を使い、首と胴体をくっつけていく。バランスをとるため、首の端部分に石ころをつめ、バランスをとる。(このバランスがうまくとれていないと振り子のように首が動く張り子が作れない。ポイントは頭と首の長さが1:1であること。)


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