わらび餅とは・・・
わらびの地下茎から抽出したデンプンで作った餅で、立春以降に食される昔からの高価な和菓子。
古来からわらび粉は貴重品とされており、江戸時代には葛粉で代用した「わらび餅」も出始め、現在では、「サツマイモ」や「キャッサバ」という芋のデンプン粉が原料になっている白いわらび餅が主流になっている。
しかし、わらび餅が登場した当時、原料としていたのは春の山菜わらびの地下茎に含まれるデンプンのみで、アクを含むため餅は黒色。
わらび粉は数あるデンプン粉の中でもトップクラスの強いコシを生むため、それだけで作る餅には独特の歯ごたえがある。
現在、本わらび粉はs1〜2万はするため、本わらび粉100%のわらび餅はかなりの高級品。


2008年 11月 わらびの地下茎収穫
鴨小屋下の土手でワラビ堀りを行う。
中々うまく掘れず地下茎が切れてしまう中、明雄さんは4本の葉が地下で繋がった約4mの地下茎を収穫していた。4時間かけて収穫したわらびの地下茎は全部で2s。
デンプンの抽出作業
わらびの地下茎を水洗いし、適当な大きさに切りすり鉢で潰す。
その後、水を加え手で揉んでデンプン成分を抽出し、フルイにかけて液体と地下茎のカスを分離させる。
樽のまま動かさずに放置すれば、比重の重いデンプンは軽いゴミと分離し底に溜まる。ここから3日間デンプンが水中で沈殿するのを待つ。
水の入れ替え
3日後樽の中を見てみると、水面には皮のクズや油分が浮いていることが確認できた。さらに上水を慎重に捨てると、デンプンが沈殿しているのが確認できた。
そのデンプンを指で触ってみると、硬いけれど触ると溶けていくという不思議な触感だった。
しかし、底には不純物も混ざって沈んでおり、ここから再び水を加えてかき混ぜては沈殿を待って、不純物のみを捨てるという作業が続いた。2日おきに計4回繰り返し、軽い不純物は全く浮かない状態となった。
乾燥
最後に微妙に残った不純物やゴミを目の細かいフルイにかけて取り除く。
2時間後、デンプンが再び沈殿したら水を捨て、和紙を敷いたザルにデンプンを落とし、陰干しで乾燥させる。
芯までじっくり乾燥させて、細かくすれば滑らかな餅の原料となる。
縁側の戸袋裏で春まで乾燥させることに。

2009年 3月 精製
しっかり乾燥したら、さらし袋に詰めて木槌で細かく叩き粉にする。計4ヶ月かけて抽出した「わらび粉」は全部で60gになった。
ワラビ餅づくり
熱がムラなく伝わり焦げにくいため、昔から和菓子づくりに重宝されていた「銅鍋」でわらび餅を作ることに。

@銅鍋にわらび粉とわらび粉の4倍の水と少量の砂糖を入れ、混ぜ合わせる。
A@が充分に溶けたら湯煎で銅鍋を温め、ひたすらまぜ続ける。
ここで、練り続けないと固まりにムラが出来てしまうので要注意。
(3分程で固まり始め、黒くなる。練り続けて30分でわらび餅はプルンプルンになります)
Bスプーンで形を整えて、冷水に入れて10分冷やす。
C10分程冷やしたら、お好みで、黒蜜・きなこをふって食べる。
(本わらび粉100%のわらび餅の賞味期限は10時間と言われており、早めに食べたほうが食感を味わうことができます)


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