クワイとは・・・
オモダカ科オモダカ属多年草の水生植物。草丈は1m前後で葉は矢じり型をしている。
もともとは、水田に生える雑草だったのが、改良され芋のような塊となった茎が食用になった。
日本には、奈良時代に中国から伝来し、江戸時代に栽培が盛んになった。日持ちすることから、天明の飢饉では救荒作物として重要な役割を果たした。現在でも、立派な芽が出る縁起物として「おせち料理」や「祝いの席」には欠かせない食材となっている。
クワイは、白クワイ・青クワイ・吹田クワイの3種があるが、今回DASH村で栽培するのは青クワイ。青クワイは、外皮が青みを帯び、食感も味わいも良い。主に埼玉県で栽培され、関西地方に出回っている。


2009年4月 土作り
クワイは「柔らかい土」と「水」を必要とする。その為、水の管理がしやすい調整池の隣の池で栽培することに。
深さ20cmほどの所に実るため、備中鍬で深く耕す。最後に調整池から水を入れ、土と水をなじませる。

2009年5月 植え付け
代掻きが終了し、さっそく塊茎(かいけい)を植え付けていく。
クワイは夏に向けて葉を広げ、光合成で作られた栄養分を土の中に貯蔵し、秋には1株から10個ほどの実をつける。
そんな実がつく地下茎の長さを考え、畝幅が90cmで株間が40cmを基準に、一つずつ丁寧に植えつけていく。

2009年6月 芽出し
植え付けてから1ヶ月。クワイ独特の葉が広がった。葉が鍬の形に似ているため、「クワイ」とも言われているが、諸説には色々ある。

2009年7月 葉かき
畑の作物が日照不足に悩む中、クワイの葉は10枚程になっていた。これは、クワイにとって「葉かき」を行う目安となる。
「葉かき」とは、10枚くらいに増えた葉を6〜7枚まで刈ること。葉を刈ることで、土に光が多く当たり、地下茎の生長を促す。さらに、古い葉を刈り取ることで、風通しが良くなり病気の予防にもなる。
そして、刈り取った葉は、土に埋め緑肥にする。

2009年8月 走り切り(はしりきり)
梅雨明けなしという異常な事態のまま、真夏の日差しの元、クワイはさらに生い茂り、待望の地下茎も顔を出すが、肝心の実が出来ていない。そこで明雄さんの提案で、生長し始めた茎(走り始めた茎)を切る「走り切り」という作業を行うことに。
株を中心に地下茎の約30cmのところを草刈り鎌で切る。
早い時期に出来た細い地下茎は実が付きにくいので、それを刈り取る事で、新しい茎に栄養が行き渡り、大きくて良質なクワイが出来るようになる。
これで無事実がついてくれるだろうか。

2009年9月 実なり
「走り切り」の効果が出たのか、地下茎の太さが倍近くになり、数も増えていた。
そして、その地下茎の先には、直径1cmほどの実がなっていた。
後は、収穫まで緑の葉が枯れるのを待つ。

2009年10月 実の様子見
里山から紅葉が始まる頃、クワイの葉は紅葉することなく、まだ青々としていた。
試しにいくつか掘り起こしてみると、実は直径2.5cmと1ヶ月前(1cm)と比べると2倍近くの大きさになっていた。
収穫の目安は3cm。もう少し待てば収穫。

2009年11月 葉を刈り取る
1ヶ月後の収穫作業をし易くするために、根元がしっかりしているうちに上部の葉を刈り取る。
土の中には地下茎が無数に広がり、その先端には大切なクワイの実がついている。肥大してきた実を傷つけないために、刈り取った株の部分を歩くのがこの作業のポイント。
足場が限られる中、すべての葉を刈りとるのは大変な作業だった。

2009年11月 鳥(セグロセキレイ)被害
順調に生長していたクワイの実が、泥の中から引き出された状態で削れていた。
明雄さんによると、鳥が食べたのではないかということ。
このままではクワイ全滅となる危険性もあるということで、急いで漁網を使いクワイ池全体を覆った。
後はこれで、クワイが守られることを祈るしかない。


2009年12月 収穫
漁網による鳥対策が功を奏したのか被害は広がらず、待望収穫の時を迎えた。大きいものから小さいものまで、大量260個も収穫出来た。
水で洗い、薄皮を剥がすと綺麗な青色が出てきた。この青さは、良質なクワイの証拠。
洗ったクワイは、凍らなければ水につけて春まで保存ができるということで、10℃以下にならない室で保管することに。



2010年2月 クワイ料理

クワイの煮物
@灰汁抜きしたクワイの皮を六角に剥く。【六角形は亀の甲羅を表す、縁起物】
A鍋の中にだし汁、砂糖、醤油を加え、味を整える。
BAにクワイを入れ、落とし蓋をし、10分〜15分煮詰めれば完成。

<クワイの灰汁抜き方法>
@鍋で30分程、茹でる。
A2〜3時間水につけて置く。

クワイの素揚げ〜冬野菜あんかけ〜

あんかけづくり
@ショウガ、ニンジン、ホウレン草、水で戻した乾しシイタケをフライパンで炒め、火が通ったらだし汁を加え、塩・醤油で味を整え、水溶き片栗粉でトロミをつける。

素揚げ
@クワイを半分に切る。
A160℃の油で半分に切ったクワイを揚げる。【揚げ時間:約5分】

芋がら汁
@水で戻したシイタケと切干し大根、ニンジンを入れて、だし汁(醤油味)で煮つめる。
A仕上げに白菜、ホウレン草、ネギを入れ、さらに少し煮つめる。


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