梅醤とは
名前の醤(ひしお)という字は調味料という意味を持つ。その名の通り、梅干しを調味料として加工したもの。戦国時代に戦士が息切れを調えたり、戦場で倒れたときなどに唾液を出させる「息合の薬」として常備していた「梅干丸(うめぼしがん)」に関連する。梅肉と米の粉、氷砂糖の粉末を練って作られた。手軽な上、日持ちしたので重宝された。
基本的に梅醤は塩抜きし裏漉しした梅肉に、砂糖・黒砂糖・はちみつなどの甘味料を混ぜ、弱火で加熱して作る。梅の産地で作られることが多いがそれぞれの地域で特徴は変わる。さらには、甘味料を加え、加熱する事で1年程は保つので、各家庭でアレンジして作られる。今回村では去年土用干しをして作った梅干しを使い、甘酒とハチミツを甘味料として混ぜ、村オリジナルの梅醤作りに挑戦した。梅干しがほどよい塩分と酸味になり、さらに甘みも加わったことでまろやかになり色々な料理に合いそうな気がした。これから、様々な場面で活用していきたいと思えた。



『土用』とは
各季節の最後の18〜19日間のこと。本来は立春・立夏・立秋・立冬の前にそれぞれあるが、今では夏の土用が特に有名。

「土用」の由来
土用という考えは古代中国で生まれた五行説と思想が関係している。
五行説とは、この世のあらゆるもの全てが木火土金水の五つの要素の組み合わせで成り立つという考え。古代中国の人々は、五行説を使い色や味、星々、そして季節まで全てをこの五種類、あるいは性質の組み合わせで説明しようとした。

四季の割り当て
春→木 春は木(植物)が盛んに伸びる季節
夏→火 夏は火のように暑い季節
秋→金 秋は金属のように冷えてゆく季節
冬→水 冬は水のように冷えきって停滞する季節。
?→土

季節は四季しかないので「土」が余ってしまった。そこで五行説を信じる人々は、「土の性質は全ての季節に均等に存在する」と考え、各季節の最後の18〜19日を「土用」とした。
土用干し
梅雨の雨が続く時期、湿気が溜まりやすく衣類などはカビや虫に食べられる事も増える。晴れた日を見計らい衣服などを陰干しして湿気を取り除く。
梅の土用干し
土用干しの一つ。6月に収穫した梅を三日間干し梅干しにする。
今回作った梅醤は去年土用干しして作った梅干しを使用して作った。



梅醤の作り方
1 梅干し60個を一晩水に漬けておく。
2 水気をよく切った梅干しの種やシソの葉を取り除き、梅肉を裏漉ししペースト状にする。
3 鍋に漉した梅肉を入れ、甘酒を250gとハチミツを150g加え、弱火で混ぜながらゆっくりと20分ほど煮上げる。
4 全体が混ざり合い、ジャム状になったら火を止め、冷めたら完成。
*仕上げにみりんなどを加えてもよい




山菜(ミズ・セリ・フキ)のおひたし
1 下準備としては、ミズとフキは茎だけを残すように皮をとる。
2 ミズとセリを約3分間茹で、フキは約20分茹でる。
3 茹であがった山菜は冷水で冷やし、切り分け、お皿に盛りつければ出来上がり。



冷や奴
豆腐を皿に添え、みじん切りにした村の沢わさびと梅醤を盛りつける。


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