本当に貴重な経験をする事が出来た。
僕らが育んでいた畑の作物を収穫し、それを直接販売する事が出来たのだ。
自ら栽培した作物だからもちろん自信と愛着はある。しかし、実際にそれがどう評価されて、本当に買ってもらえるのか全く想像がつかなかった。



販売する前日、実のしっかりした熟れ頃の物を選んで収穫し、それを一つ一つ丁寧に箱詰めした。広い畑ではないから量はそこまで多くはないし、少し不格好な物もある。けれど、それでも少しでも甘くおいしくなるように工夫をして育てた作物だった。トマトは水を与えずに甘くなるように育て、木になったままで真っ赤に完熟させた。キュウリは少し太くはなったが瑞々しく、ネギは白い部分は短いけれど実がしっかりと詰まった太いネギになった。


ただ、いざ作物たちを並べ売り場に立ってみると、完全にドキドキした気持ちがワクワクした気持ちを上回り、落ち着きなく作物の向きや位置を直してばかりいた。僕にとっては初めてつくった野菜。それを売る経験ももちろん無かったので本当に買ってもらえるかどうかという不安が大きくなってしまったんだと思う。



しかし、売り始めた直後から買ってもらえた。すると、それまでくすぶっていた不安が一気に吹き飛んだ。その後も続々と多くの人に買ってもらえた。野菜だけでなく、僕らが作ったラー油や漬け物も全てなくなった。しかも買ってもらっただけでなく、「新鮮でいい野菜だね」などと褒めてもらい、本当にうれしくなり、買ってもらった人全員に感謝の気持ちでいっぱいになった。人に喜ばれるという事がこれほど幸せな事なんだとつくづく感じた。
この経験を励みにまた日々の作物の世話を頑張ります。


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