2010年8月 二番茶・茶摘み 一番茶の初茶摘みから約2ヶ月。一番茶を摘み取った根元の部分から新芽がぐんぐんと生長し一芯五葉の状態に。今回挑戦する紅茶と烏龍茶には、ちょうど良い摘み頃。その五葉のうちの上三葉を摘んだ。この日の収量3kg。今回は、その茶葉を紅茶と烏龍茶と半分ずつ使用した。 |
工程@ 萎凋(いちょう) 摘んだ二番茶を母屋内に運び、14時間陰干しする。こうする事によって、萎れて加工しやすくなる上、新緑の香りが揮発し、茶葉内部に柑橘系の香り成分が増す。特に実働はないけれど、寝かす事で紅茶の香り成分が10倍になるので重要な工程。 |
工程B 発酵 しっかりと揉んだ茶葉を2時間置き、内部で赤色色素が形成するのを待つ。この時、茶葉に濡れた布を被せ、乾燥と香りの蒸散を防ぐ。 |
工程C 乾燥 2時間後、布を開けて見てみると、放って置いただけの茶葉がかなりの赤さになっている事に驚かされた。 この茶葉を80℃で約30分間焦げないように火にかけ、乾燥させて完成。 乾燥していくにしたがって、風味が増し辺りに広がる紅茶の香りが本当に香ばしくて、早く飲みたいという思いに駆られた。乾燥した茶葉は赤色というより黒に近い褐色に染まり、まさに香りも見た目も紅茶になっていた。 |
烏龍茶とは 主な産地は中国や台湾。今では最も世界中で飲まれている中国茶になる。 茶葉を陰干しや日干しなどにより萎れさせ、酵素を若干働かせた後、釜で炒ってつくられる。しっかり酸化させない緑茶と酸化させる紅茶の中間的な半発酵茶で、キンモクセイの花のような香りを楽しむお茶。 |
工程@ 揺青(ようせい) 茶摘み後12時間寝かせるのだが、2時間おきに茶葉を優しく揺する事で表面に、目に見えない程の傷を付けていく。この傷から酸素がゆっくり流入すると、紅茶とは違う種類の香気成分の酸化が進み、あの烏龍茶の風味が出来る。烏龍茶の風味を作る上でとても重要な作業になる。眠い目を擦りながらも2時間おきに一晩中、あの爽やかな香りに思いを馳せつつ優しく揺すった。 |
工程A 釜炒り それ以上の化学変化が起きないよう、茶葉に約100℃の熱を約1分間当てることで、各種の酵素活動を止める。長時間高熱を当てると、12時間も寝かせて生まれたせっかくの香りが、今度は焦げ臭くなってしまうので約1分で手際良く熱をまんべんなく与えねばならない。こういった炒り加減などに対する細かな配慮が茶葉の風味には重要なこと。 |
工程B 乾燥 最後に30分ほど、中火の約80℃で茶葉の水分を4%程度になるまで飛ばす。 |