2010年9月 ヤギ小屋改築
茅葺き屋根と同じように、チャコとふぶきが暮らす小屋の老朽化が進行していた。
この小屋は、屋根に草が生えるようになっているので、高い所が好きなヤギにとってお気に入りの場所だった。しかし、草を生やす為に盛られた土の重みで小屋全体が傾いていた。さらに、小高い丘の麓にあるので、崩れた土砂が小屋の裏に堆積し、これも傾きを悪化させていた。いつ崩れ落ちてもおかしくなかったので、小屋の住人であるチャコとふぶきを空いている他の小屋に移し、傾いた小屋の解体・改築する事にした。
まずは傾きの最大の要因である屋根から解体する。
そして、斜面の土留めを強化した後、いよいよ改築を始めた。改築するにあたり、さらに住み良い小屋にしようといくつか工夫した。まず、極寒になる村の冬の寒さ対策として、断熱用に稲ワラを両サイドの壁に仕込んだ。


2010年10月 ヤギ小屋改築完了
解体した小屋の古材を使用しつつ進む改築は、一番の問題だった屋根まで進んだ。前回、屋根が重過ぎて傾いてしまったという教訓を生かし、今度はすっきりと軽い屋根にする。そこで、茅葺き屋根で使用した杉皮を利用することにした。杉皮は軽い上に、雨風への強度は申し分ない。
そして、さらに夏の暑さ対策として、小屋のサイドを開閉式にして、風が小屋内に流れ込むようにした。
暑さにも寒さにも対応した、生まれ変わった小屋がいよいよ完成した。
ここに住むのは、まもなく3歳になるお年頃の女の子チャコとそして・・・。


新しい仲間、その名も「ザビエル」!
リンダと晴男の長女チャコはまもなく3歳になり、そろそろお相手が欲しくなるお年頃。という事で今回はチャコのお婿さんを、新たなる仲間として迎え入れることにした。
そして、僕は改築と平行して、お婿さん候補に会う為、旅に出た。
向かった先は、ヒツジの毛刈り職人ロスさんを紹介して下さった伊香保グリーン牧場。飼育員の中静さんに案内して頂き、対面するとそこにいたのは、なんと黒ヤギさん!しかも、立派なあご髭に太い角が生えており、チャコと同い年とは思えない程その雰囲気には風格があった。グリーン牧場では、見た目の印象から「ザビエル」と名付けられていた。「ザビエル」はトカラ種という日本の在来種だった。
トカラヤギ 偶蹄目 ウシ科
日本にやってきた最初のヤギと言われている日本の在来種。 鹿児島県トカラ列島にのみ生き残っている稀少品種。 体重は20〜35sと小柄。被毛は淡褐色、黒色を基調として白斑や黒い背線がある。
是非、村にお婿さんとして迎え入れたいと、縁談を頂いたグリーン牧場さんに申し出て、村の一員になったザビエル。チャコの事は気に入ってくれたみたいだけど、チャコはまだまだ興味がない様子。これから、村にも慣れて、チャコの気を惹き、徐々に仲良くなってくれたらいいな。


さくら子の嫁入り
チャコよりも年上で、八木橋とマサヨとの最後の子であるさくら子は、今回グリーン牧場にお嫁入りする事になった。早速、グリーン牧場の仲間たちと対面させると・・・。
みんなの視線は真っすぐさくら子に向けられ、みんなの注目の的になり囲まれていた。さすがさくら子、始めから見事に新しい仲間たちを惹き付けていた。
この様子なら、きっとみんなとすぐに仲良くなり、旦那さんを見つけ、幸せに暮らしてくれそうだなと思いました。


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