第1話
2011年7月9日放送
児童相談所に勤める新人の児童福祉司、城田(松田翔太)は念願の児童福祉司になれた喜びからか、日々使命感に燃えて仕事をこなしていた。不登校や非行、家庭内暴力、そして虐待の通報や相談…。毎日やることは尽きず、忙しい毎日。だが、マニュアル重視で押しが弱く、職場では所長の水盛ミネコ(小林聡美)はじめ、みんなのお荷物になってしまう始末。
いっぽう、泣く子も黙る鯖島組・組長の鯖島仁(高橋克実)は、組の総長である鰯原修三(鈴々舎馬風)から、3ヶ月以内でライバルの鯵卓卓巳(小木茂光)と次期総長を争うように言われていた。気負った鯖島は日々のシノギに励むのであった。
そんなある日、虐待の通報を受けた城田と、借金の取立てに向かった鯖島は偶然にも同じ団地に向かう。そのとき一筋の光が団地を包み、なぜか城田と鯖島の体が入れ替わってしまった――!
困った二人は元に戻るまで、お互いのふりをすることにする。城田は、児童相談所の面々にばれないように、鯖島は妻のあゆみ(内田有紀)や組員の兵藤(松重豊)にばれないように…。
「お願いだからちゃんと仕事してください。でないと跡目争い、辞退しますよ」
そう頼み込まれた? 城田(中身は鯖島)は仕方なく、虐待通報のあった家に向かう。
ズカズカと家に上がり込んだ城田と鯖島が発見したのは、ベランダに追い出された6歳の駿(黒澤宏貴)だった。母親(岩佐真悠子)は虐待を否定するが…。
第2話
2011年7月16日放送
中身が入れ替わったままの城田(松田翔太)と鯖島仁(高橋克実)は、しかたなくお互いのふりを続けることになる。しぶしぶ児童相談所に出社した城田に、水盛ミネコ(小林聡美)が新しい案件を持ってきた。
14歳の少年・亮介(藤原薫)が1年前から引きこもっているという。城田が恭子(紺野まひる)と亮介の家に行くと、相談者である母親の由美(村岡希美)がオロオロと待っていた。亮介は昨年中学受験に失敗してから、部屋に鍵をかけて閉じこもり、誰とも口もきかなくなってしまったという。引きこもりには慎重に段階を踏んだ対応が必要……と言われているそばから、城田はやすやすと亮介の部屋に入り込む。しかし相談に乗るわけでもなく、寝転がって漫画を読むだけ。そんな城田に、亮介も呆れていた。
いっぽうの鯖島はピンチに陥っていた。組の若い衆が鰺沢組に因縁をつけられ、つい先に手を出してしまったのだ。鯖島は若頭の兵藤(松重豊)から組員のヤス(山根和馬)が鰺沢組に拉致されたと聞かされ、成り行きで相手の組に「かちこみ」(=殴りこみ)に行くことになってしまう。
そのころ城田の態度に我慢ならなくなった亮介が、ついにキレて―――。
第3話
2011年7月23日放送
児童相談所に13歳の松岡文也(田中碧海)が、ゲームソフトの海賊版を運んだ疑いで補導されてくる。城田(松田翔太)の目は文也を連れてきた刑事・神山竜(大河内浩)に釘付けになっていた。なんと神山は城田の因縁の相手だったのだ。城田は「何も知らない」という文也の嘘を一瞬で見抜くが、神山に手柄を取らせまいと文也をかばう。いっぽうの神山は文也がゲームソフトの密売組織に関わっていると断定し、文也を問い詰める。
そして翌日、文也は姿を消してしまう。もし神山が文也の行動に気づけば、文也は逮捕されてしまう。神山に手柄を立てさせるわけにはいかねえ!――と、城田は文也を助けるために児童相談所を飛び出した。城田から連絡を受けた鯖島仁(高橋克実)は、組のネットワークを使って文也の裏にいるブローカーを割り出す。ブローカーは文也のように内向的で孤独な少年にネットを介して近づき、仲間のようなふりをして運び屋をやらせていた。文也はそんな彼らを友人と信じてかばっていたのだ。そこに神山が乗り込んできて――
第4話
2011年7月30日放送
4歳の唯(栗本有規)が児童相談所に保護された。シングルファザーの真一(柏原収史)は懸命に唯を育てていたが、仕事で帰りも遅く、心配する近所の人からたびたび通報をされていた。亜希(市川実和子)は真一に「唯を一時的に児童養護施設に預けてはどうか」と提案するが、真一は「唯を捨てるようなことはできない!」と猛反発する。
当の唯はなぜか城田(松田翔太)を気に入り、すっかりなついていた。ミネコ(小林聡美)は城田をこの件の担当にし、二人をフォローするように言い渡す。城田はいやいやながら、まとわりつく唯の面倒を見ることになる。
そのころ児童相談所では、恒例の夏祭りの準備が進められていた。最初は「ガキのお楽しみ会なんて」とバカにしていた城田だが、突然やる気を出し、唯に手伝わせてお好み焼きの屋台を準備をし始める。さらに城田は鯖島仁(高橋克実)の部下たちに声をかけ、祭りの支度を手伝わせることに。祭りの日の当日は金魚すくいや綿アメなど、立派な屋台が庭に並んだ。子どもたちは大喜びするが、そこに真一が現れて――
第5話
2011年8月6日放送
鯖島(高橋克実)と鯖島の妻・あゆみ(内田有紀)は、あゆみの店で働いていたシングルマザーの麻紀(末永遥)が、一歳の息子をネグレクト(育児放棄)していると突き止める。鯖島の通報で城田(松田翔太)たちは修平を保護することになる。突然修平を連れて児童相談所に現れたあゆみに、城田はどぎまぎしてしまう。なんといっても妻との久々の再会なのだ…。だが、あゆみはそんなことを知るよしもない。
麻紀は弁護士を立てて息子を取り戻そうと、児童相談所にやってくる。しぶしぶ修平を麻紀に返す城田たち…。だが、その後驚くべきことがわかる。実は麻紀の亡夫は資産家で、修平が莫大な遺産を受け取れる立場にあったのだ。麻紀はその遺産を狙っているに違いない――。事情を知った亜希(市川実和子)たちは即刻「親権の一時停止」を申し立てるべきだとミネコ(小林聡美)に訴えるが、ミネコはいつになく煮え切らない態度を取る。
いっぽうの城田はあゆみの手前、なんとか修平を救おうと決意する――。
第6話
2011年8月13日放送
城田(松田翔太)はミネコ(小林聡美)から児童相談所の広報誌『あすなろ』用の記事と写真を頼まれる。
いっぽう鯖島(高橋克実)の妻・あゆみ(内田有紀)は極道雑誌にライバルの鰺沢(小木茂光)がカラーグラビアで特集されているのを見て激怒する。グラビアは鰺沢がページを買い取って自ら作ったものだった。それを知った城田は自分も特集記事を作ると言い出し、最高級のカメラ器材を買い込む。城田はブラブラしている幸子(成海璃子)を撮影のアシスタントとして雇うことにし、鯖島をモデルに撮影を決行する。いやがっていた幸子だが、次第に真剣に仕事に取り組み始める。
そんなとき幸子の母親・玲子(西尾まり)が児童相談所を訪ねてくる。幸子は自分を捨てた母が再婚し、二児の母となっていることにショックを受け、部屋を飛び出してしまう――。
第7話
2011年8月27日放送
総長の鰯原(鈴々舎馬風)が病に倒れた。鯖島(高橋克実)は「もってあと3日」という医師と看護師の会話を聞いてしまう。
それを聞いた城田(松田翔太)は冷静に「絶対に総長に知られるな」といい、最後まで総長を見守ろうと決意を固める。そして平静を装い、鰯原の「孫のヨーコに会いたい」という願いを叶えようと奔走する。だが手元には4歳のヨーコの写真しかなく、14歳になっている本人を見つけるのは至難の業だった。
そのころ児相に14歳の里奈(杉咲花)が補導されてきた。里奈は深夜の繁華街をふらつき、家に帰らず友人の家を泊まり歩く、いわゆる「プチ家出」をしていた。
そんな里奈を見た城田に、ある考えが浮かんだ――。
第8話
2011年9月3日放送
中学校で講演をした城田(松田翔太)は、2年の担任・貴子(宮田早苗)から不登校をしている生徒・圭太(伊藤凌)の相談を受ける。偶然にも彼女はなんと小学校の同級生であった。貴子に昔の借りがある城田は、圭太の不登校を自分が解決しようと奮起する。
そのころ鯖島(高橋克実)はいつも行くペットショップの店員・友子(平田薫)にトキメキを感じていた。が、告白しようとしても、外見が別人(鯖島)である以上、どんなに好きな人ができても、気持ちを伝えられない、と鯖島は落ち込む。
そして翌日、圭太が母親に伴われて児童相談所にやってきた。圭太は2学期になって不登校を始めたという。口の重い圭太にミネコ(小林聡美)は幸子(成海璃子)をメンタルフレンドとしてつけることにする。幸子は圭太には好きな子がいるであろうことをすぐに探り当てる。だが彼女はもうすぐ外国に転校してしまうという。そしてさらに貴子も転勤するらしい。
自分の思いを伝えないまま、彼女たちと別れていいのか?
――圭太、城田、そして鯖島はそれぞれ思い悩む。
そして3人が取った行動とは――?!
第9話
2011年9月10日放送
城田(松田翔太)は父子家庭の父親・清志(宮崎吐夢)の家を訪ねる。失業した清志は家でゴロゴロし、12歳の娘・千佳(大橋のぞみ)が幼い弟たちの面倒を見ていた。千佳は週に2、3日しか学校に行けていないらしい。しかも清志はギャンブルなどにつぎ込んだらしく、借金を300万円も抱えていた。そのころ鯖島(高橋克実)は鰺沢組があくどい方法で、一般人にまで金を貸していることを知る。リストのなかには清志の名もあった。
いっぽうの城田は清志の案件よりも、児童相談所で開催する「お楽しみ会」に興味を惹かれ、そちらを手伝うことにする。会の出し物は演劇で、演目は「ドン・キホーテ」。思い込みだけで突っ走り、風車に勝てない戦いを挑むドン・キホーテ。しかし最後にはその思いが彼を本物の騎士に変える――。物語に感銘した城田は、自身が主役をやり、監督と脚本をやると言い出す。あきれる幸子(成海璃子)とミネコ(小林聡美)だったが、城田のやる気に負け、自由にやらせることにする。そこに千佳と弟たちも劇に参加することになって―――。
第10話
2011年9月17日放送
鯖島(高橋克実)は次期総長候補として、鰺沢(小木茂光)と討論会に挑むことになる。鯖島はあゆみ(内田有紀)、兵藤(松重豊)らに見守られ、討論に望む。だが、鯖島は強面な親分衆の集まる場の空気にすっかり気後れしてしまう。親分衆から野次が飛ぶなか、鯖島はいいとこなしで壇上を降りることに。次回のマニフェスト発表会で失敗したら、間違いなく総長の芽はなくなる――。
城田(松田翔太)は「今度こそバッチリ決めろ!」と鯖島に念を押すが、なんと翌日鯖島は家出をしてしまう。鯖島の態度に怒った城田は自分も児相を辞めると宣言し、ミネコ(小林聡美)に辞表を出す。驚くミネコだが、最後に西岡佑麿(松田知己)の里親だけは決めるようにと城田に言う。佑麿は城田が児童相談所の担当になるきっかけとなった少年だった。
「お安い御用だ」と請け負った城田だが、実際に3組の里親候補に会ってみると悩んでしまう。
「誰の子になれば、佑麿は幸せになれるのか?」
頭をかきむしる城田で――。
第11話
2011年9月24日放送
次期総長選出まであと3日。城田(松田翔太)は気をもみつつも、ミネコ(小林聡美)の指示で新たな児童相談所の案件に取りかかる。今回のケースは村上奈緒子(宮本裕子)と5歳の娘・香(遠藤瑠菜)。奈緒子は極度の潔癖症でウィルスや菌を恐れ、香を一切外に出さず、学校に通わせていなかった。ミネコは母子が月に一度病院に行くタイミングを狙って、香を一時的に強制保護しようと考える。
いっぽう鯖島(高橋克実)は「極道かるた」で、総長戦の決着をつけることになった。だが中身は鯖島でも外見が城田のいま、その実力を発揮することはできない。対戦は団体戦であゆみ(内田有紀)、兵藤(松重豊)らも参加する。かるたの得意な城田は鯖島のコーチとして、鯖島たちにかるたの特訓し、決戦に望む。鯖島たちは好戦するが、勝負は延長戦に。だがあろうことか助っ人として参加した城田がフライングをしてしまう…。
このまま鯖島は総長戦に敗れてしまうのか?そして城田は、香を保護する作戦のため病院へ向かう。が、香を連れ出そうとしたとき、奈緒子に気づかれてしまう。城田たちは香に普通の生活をさせてやることができるのか?
果たして、城田と鯖島は入れ替わったまま終わるのか――?