TOYOTAプレゼンツ・FIFAクラブワールドカップジャパン2007

大陸予選情報

エトワール・サヘル/アフリカ代表



2007.12.09 パチューカ戦後マルシャン監督会見

マルシャン監督
望み通りの結果になり、とても満足している。
うちには25歳以下の若い選手がたくさんいて、
そこがパチューカと違うところ。彼らは経験豊かで、
25歳以下の選手は数人しかいなかったように思う。
ビデオも見たし、メキシコの情報もいろいろ入手し、
うちより強いチームであることは分かっていた。
あとは選手を信じるだけだった。

強いのは向こうでも、しっかりブロックすること、団結すること、集団の力で頑張ること、
皆でしっかり力を出すこと、組織力で何とかなればと思っていたが、本当にその通りになった。
ボールの支配率は低かったし、技術も向こうの方があったが、コンパクトでしっかりしたサッカーが
できた。アフリカチャンピオンズリーグでは、多くの強豪と対戦してきたが、今日85分で
ゴールできたことは、とてもうれしい。

Q.攻撃面はよくなかったと思うのだが?
ほかの方法がなかったというか、うちにはあまり攻撃のオプションがない。
もしパチューカを過小評価して、攻撃的に出過ぎていたら、ボールを奪われて守備が
崩れる恐れがあった。方法は限られており、相手が強いことも分かっていたが、
いつでも強い方が必ず勝つわけではない。効率のよいチームが勝つわけではないということが、
この試合で証明されたのでは。

Q.次はボカと対戦するが、今日よりもプレッシャーなくやれるのでは?
今日もプレッシャーはなかった。チュニジアのため、アフリカのため、サポーターのために戦う。
パチューカも、ボカも、非常に強く、攻撃のポテンシャルは計り知れないものがある。
だが、うちだってアフリカを勝ち抜き、今度はこのクラブのワールドカップを戦っている。

この大会にチュニジアのクラブが参加するということは、1200万人の人口を抱えるチュニジアが、
もっと強い国と対戦するということ。大事なのはチームとしての信念で、その国のサッカーが力を
与えてくれるということ。今日もアグレッシブで強いサッカーをしっかり見せることができた。
ワールドカップであろうと、チャンピオンズリーグであろうと、闘う者が勝つ。
結果としてついてくるのだ。

勝つためには、ボールを支配すればよいというわけではない。 それが、この試合でも表れていたと思う。生き残るためには、攻めるしかない。
それから、この素敵な日本にあと1週間とどまれるのは、とてもうれしい。(にっこり)
ボカ・ジュニアーズはあのマラドーナもプレーしていたクラブだ。
そんなビッグクラブと対戦できるのは、とてもうれしいこと。
ここまで来ると、その後にACミランと対戦することも夢見てしまうが。
私はヨーロッパ出身なので、やはりACミランと対戦するのは夢である。

Q.エンブレムの星は何の象徴なのか?
エトワール(フランス語で星という意味)という名前のクラブはたくさんあるが、今日の試合は
「サヘルのエトワール(星)が輝いた」ということが重要なのだと思う。
クラブのエンブレムは、チュニジアの国旗に似せている。
1925年ごろの話だが、ナショナリズムということで星と国旗の色、白と赤を選んだ。

Q.チュニジアのサッカーはどこの国のスタイルに似ているか?
私としては、フィールド全体を自分たちの選手でカバーしたいと考えている。 ラテン系のサッカーでは、選手はボールを奪いに行きがちだ。
ACミランもヨーロッパスタイルだが、中盤でボールを奪うやり方だと思う。
統計的に見ても、パスを5〜6回つなぐとゴールは決められない。それは、どこの国でも、
どの選手にとっても言えること。2、3タッチでならゴールを決められる。
あまりにボールを支配し過ぎてもよくない。

Q.次のボカ戦でも今日と同じ戦い方を?注目選手は?
ボカはビッグクラブなので、潜在能力も違ったものを持っていると思う。技術的にもそうだし、
もっと攻撃的に来ると思う。パレルモというスター選手もいるので、これからしっかりチェック
していきたい。MFカルドソも要注意。守備陣も強いので、組織全体がパチューカとは違う。
とりあえずパチューカ戦は今日終わった。そこからボカ、さらにはACミランとビッグネームが
続くわけだが、過去の大会で南米が優勝しているのだから、それだけのタレントがいるということ。

ボカのような世界的クラブと対戦できること自体が素晴らしい。
私がこのチームの指揮をとるようになった。6月の時点では、まだチームは若い選手ばかりだった。
アフリカで優勝し、この大会にも出場しているのだから、本当に夢のような話だと思っている。

Q.具体的にどういう部分で相手の方が強いと言うのか?
選手の経験もクラブの経験も違う。 パチューカも、ボール回しがうまく選手の質が高い。
コロンビアやパラグアイやアルゼンチンなどの国際的な選手ばかりだ。だからこそ、最近4つの
タイトルを取ることが出来たのだ。南米の大会でも、ブラジルやアルゼンチンのクラブに
勝っている。パチューカはボカに匹敵するくらいの力を持っていると思う。

Q.ボカの監督はパチューカとの対戦を想定していたようだが、
  そのことがモチベーションに繋がったか?

単にパチューカの力を知っていたのだと思う。強いチームだと分かっていたから、そういった発言が
あったのでは。我々もせっかく日本まで来たのだから、1試合では終わらずに数試合をして
帰りたかった。長時間飛行機で移動するのも大変だったので、3試合できるというのは感慨深いし、
情熱を注ぐこともできる。12日前にチュニジアを出て、6日間韓国で合宿もして、 時差や気候の変化に順応するための準備をしてきた。だから、もう1週間残ることができて、
さらにボカとも対戦できるのは本当にうれしい。最大限の力を出して戦いたい。

FWシェルミティ
手にとって、この大会に参加できるのは大きなチャンス。
チームにとっても、私自身にとっても、チュニジアだけだなく、アフリカを代表する
チャンピオンなのだから次の準決勝まで行けることを、とてもうれしく思っている。
次の試合に向けてしっかり準備したい。
今日はボール支配率も、テクニックも上回っていた相手に勝つことができた。
次も勝てるかどうかは、神のみぞ知ること。

Q.監督はどんな指示を出していたのか?
監督からは、左サイドから攻撃的にプレーするようにと言われた。
パチューカがお前をマークしてくるぞと言っていた。
そして、しっかりスピードをつけてプレーするように。

Q.前半押され気味だった理由は?(ナリーの)ゴールについての感想は?
パチューカは、ビッグクラブだ。
番のアルバレスをマークしていて、うまく守備はできていたと思う。
スペースが空いた時に、うまくカウンターを仕掛けることができた。
ゴールを奪うには、ボール持った時にスピーディーにプレーして、攻撃することだと思っていた。
最後に(ナリーが)ゴールを決められたのは、チームにとってよかった。
これでボカに挑戦できる。

Q.スパイクの色が前半と後半で変わっていたようだが?
このスパイクでやるのは初めてだったので、古い方に履き替えた。
古い方のスパイクでゴールを決めていたので、こちらの方がいいかなと思った。


■試合後インタビュー

MFナリー(決勝ゴール)
まず最初に、この機会を与えられて事に感謝をしたい。
いつもどおりのサッカーをするよう、みんなで話し合ったが、立ち上がりは出来なかった。
前半はフィニッシュまで持ち込むことが出来なかった。

後半20分を過ぎた辺りで、もう時間がないなと焦りはでたが、自分は前にいたので、
自分を犠牲にしてもゴールが生まれればと思っていた。ゴールがなければ、
何もないのと一緒だからね。自分にはチャンスが来て、ゴールが見えたので
シュートを打った。GKはわずかに届かなかった。

この大会でもっとゴールをしたい。ボカ戦でもいつものサッカーをするのが一番。
このトーナメントで負けるつもりもない。この特別な機会はそうはない。
みんな勝者になるため、ここに来た。

戻る