2007.12.14 FIFA記者会見に元日本代表中田英寿氏が出席
14日、FIFA(国際サッカー連盟)が東京都内のホテルで記者会見を行いました。
FIFAブラッター会長をはじめ、日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンが出席。
また、2006年ドイツワールドカップ終了後に、引退した元日本代表の中田英寿さんがゲスト出演しました。
中田英寿さんが、引退後国内の会見に登場するのは初めてのことです。
ブラッター会長
今日はカメラの数が非常に多いが、私を狙っているのではないだろう?
日本のビッグスター、中田英寿さんのためのものだろう。
彼は世界を旅していて、ブータンにも行っている。FIFAの会長以上に忙しく働いているね。
このクラブのワールドカップは、来年も再び日本に戻ってくることが決まっている。
2009年以降は、入札による競争となる。
川淵三郎キャプテン
ブラッター会長、そしてコロスコフ委員長のリーダーシップのもと、無事3回目のクラブワールドカップが開催された。
今回は、特に開催国枠が認められた中、アジアのチャンピオンとして浦和レッズが出場し、非常にうれしく思っている。
昨日の試合を見てお分かりと思うが、世界とはまだかなり差がある。
しかし、Jリーグのクラブが、世界のクラブのレベルに近づくための第一歩を記すことができた。
非常に貴重な経験をさせて頂いたたことを、ブラッター会長、コロスコフ委員長に心から感謝したい。
今日は、中田英寿選手が。選手じゃなくて、中田英寿さんですね。(笑)
引退してから初めて、日本でサッカーの公式の場に登場してくれ、心から感謝している。
これから日本のクラブは、世界のクラブのレベルに到達するべく、さらに努力していきたい。
Q.開催国枠は今後も継続されるのか?
ブラッター会長
そのとおり。開催国枠はなくてはならないもの。
これまでは開催国枠がなかったが、今回は日本のクラブがアジアチャンピオンになって参加した。
もしアジア王者が違う国だったら、(開催国枠で)日本のチームが出ていた。
Q.2009年以降は公開入札という話だったが、正式決定はいつ?
ブラッター会長
それは、明日行われる理事会の議題なので、理事会後に発表する予定。
2009、10年については公開入札方式で、すでに何か国から意思を表明している。
具体的にあげると、オーストラリア、ポルトガル、UAE(アラブ首長国連邦)、日本。
これらの国々を分析して、FIFAで協議をするつもりだ。
Q.2009年からの2年間は同一国で開催か?1年ごとに分けるのか?
ブラッター会長
このような大きな大会は、現実に即した形で行われるべきだと考えている。
新しい国で開催するなら、2大会はやらせるべきだろう。それも明日の理事会で確認する。
さまざまなリサーチが行われ、来年5月のFIFA理事会で決定する。
Q.外国人選手が多いが、制限を設ける考えは?
ブラッター会長
確かに、それについては多くの議論がある。なぜなら、クラブの個性は大切にすべきだからだ。
クラブに自国の選手が少ないのは悲しいこと。それについて、私は2、3年前から警鐘を鳴らしている。
例えるならば、イングランド・プレミアリーグでは、アイデンティティーが失われていっている。
そうした懸念も、明日報告され、5月の理事会に提案していく。
昨日のACミランを見ても、イタリア人は6人だった。
リバプールやバルセロナに比べれば多い方だが、他の出場チームは外国人選手は2、3人で、それ以外は自国の選手でまかなっている。
浦和レッズも2人だったが、これは素晴らしいこと。
ファーガソン、ロイ・キーン、ベッケンバウアー、それにヨーロッパサッカー連盟のプラティニ会長も、私の考えをサポートしてくれている。
サッカーはアイデンティティーを守るべきだと思う。
中田英寿さん
クラブワールドカップのような、世界的に意義のある大会が日本で行われることは大きい。
辞めてから、あらためて僕自身もサッカーの大きさを知った。
名前を知らない国に行っても、多くの人がサッカーをプレーしていた。
サッカーではいろいろ良い経験ができたので、この先サッカーを通じて恩返しできればいいと思う。
サッカーの人を動員する力を生かして、FIFAと何か面白いことができればいいですね!
サッカーとして意味のあることができると思う。
Q.日本代表の岡田武史新監督については?
中田英寿さん
1998年のワールドカップの時に一緒にやっている。良い監督だし、人間としても尊敬できる方だ。
あれから10年が経ち、どんな変化があったか知らないし、その間のことを判断できないが、(日本サッカー)協会はいい人選をしたと思う。
Q.オシム監督が退任した時、誰が監督にふさわしいと思ったか?私はあなたを思い浮かべたが?
中田英寿さん
僕は教えることに興味がありません。(笑)
監督やコーチ業には興味がないが、いろいろなところでサッカーを通じて、結びつきが出来ればうれしいので、幅広くやっていきたい。
Q.具体的には、FIFAとどのような活動をするのか?
中田英寿さん
具体的には決まっていない。FIFAは、いろいろな大きな活動をしている。
それに加わり、さらに新しいことができればいいと思う。
ブラッター会長
中田さんにはいろいろな形で、FIFAの親善大使として活動してほしい。
どれだけの財産をサッカーから受け取ったか、それを恩返ししたいという考えも聞いている。
選手としても、人間としても素晴らしい中田さんに、サッカーの普及活動をしてもらいたい。
素晴らしい親善大使になってくれるに違いない。
Q.中田さんを「FIFAの親善大使」と理解していいのか?
ブラッター会長
もちろん、彼が受け入れてくれればの話だが。(笑)
これから提案していくつもりだ。FIFAにはさまざまな親善大使がおり、女子選手もいる。
ジョージ・ウエア(元リベリア代表/ACミラン)も大使の1人だ。
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