2007.12.12 ボカ・ジュニアーズ戦後マルシャン監督会見
選手は素晴らしく、いい試合をしたので祝福したい。
外から見たら、分からないかもしれないが。
ボカ・ジュニアーズというビッグチームとの対戦だが、向こうも困っていたと思う。
うちが予想以上にいい試合をしたからだ。
今までの試合の中で、一番良かったかもしれない。
それでも力関係はあり、ビッグクラブとの対戦で、うちにはないものを向こうは持っていると感じた。
どんどんボールを奪いに来るし、いくら頑張ってもうちはそこまで出来なかった。
やはり才能、経験という点で、ビッグチームとの差があったと思う。
Q.相手陣営でプレーしていても、シュート力がなかったが?
うちもとてもいい試合をしていたと思うが。
ハイレベルなサッカーというものは、こういうもの。どのくらい効率的に決められるかで差が出る。
自分たちの良いところを引き出して、身体能力も生かして、攻撃もできていた。
それでもボカは偉大な存在で、うちは世界のトップチームに対してチャンスが作れたのだ。
どれだけトライしてみても、目の前には最高のチームがいたということ。
Q.ボカが10人になった後、メリアフとフレジを上げて攻撃を仕掛けるアイデアはなかったのか?
トライはしたが、MFメリアフは出場停止明けで試合感覚がなかった。
これだけハイレベルでフィジカルも使ってとなると、かなり大変だったと思う。
選手たちは、いつも以上に頑張っていた。
実力以上のことをやったのだが、いくら頑張っても限界はあった。
チャンスはボカよりもあったかもしれない。
決定的なチャンスが3回、4回あったかもしれないが、こういった大会に慣れていないこともある。
最後の最後でうまく決められず、相手の戦力、経験の差が試合に出ていたと思う。
Q.最後の20分で、相手にプレッシャーをかけられなかった理由も同じ?
2、3回はいい場面があっただろう?
プレッシャーはかけられたが、監督としては大変だった。
5分後には選手交代してしまい、3人目の交代を誰にするか。
最後の20分は全員攻撃したのだが。サッカーは簡単なものではない。
ボカはしっかり組織立っていたのに、こちらはバカらしいミスでFKを与えてしまったりした。
しかも、あまりいい位置でFKを取れなかった。
これだけのレベルになっても、向こうはミスをしなかった。
我々は、ゴールから30メートル(のFK)となると、決められなかった。
Q.FMガルビは右サイドだったが、パチューカ戦では真ん中でプレーした。本来のポジションはどこ?
ガルビは本来、トップ下だ。
こんなに早く交代するとは思わなかったが。
DFフレジが右をしっかり頑張ったことで、全体の動きが良くなり、ボカを困らせたと思う。
最後は、守備がうまく機能していたし、大変なビッグゲームができたと思う。
ボカの方がポテンシャルも名声も高いが、いろんな可能性があったわけだから。
明日のACミランだって、日本のチーム相手だからといってどうなるか分からない。
ボカは、今度もクラブワールドカップを勝ち取ろうとしてるが、うちだって悪くはなかった。
サッカーはそういうもの。
Q.中2日で慣れない気温の中、チームのコンディションは?
フィジカル的にはとても良かった。対戦相手よりもわれわれは頑張ったと思っている。
テクニック的には劣っていたが、それは相手がボカだから。
今日のメンバーの半数は21歳以下の若い選手ばかりだ。こんなビッグチームとの対戦は、初めての経験。
気候も悪くなかったし、選手も、絶対に(試合を)投げなかったし、最大限の頑張りを見せていた。
前半は、ボカにゲームをさせず、良かったと思う。中盤から、ボカをだんだん崩すことも出来た。
アルゼンチン、そして南米のビッグクラブを、困らせたということは、なかなかないと思う。
前半は、初戦のパチューカ戦より良かった。
私が描いた一番いいシナリオは、ボカと最後まで0−0のままで、最後に向こうがリスキーなことをしてきた時に、何かできたかもしれないということ。
これだけのハイレベルな戦いになると、ボカは1−0で安心ということか。
Q.最も差を感じたところは?
経験とポテンシャルだ。ボカの選手は、攻撃面で役割分担されている。
うちには、それだけの戦力がない。
ビッグクラブでないと、これだけのFWはそろえられない。
例えば、ACミラン、チェルシーなどと戦うと、中盤でブロックしようとしても、
インザーギにしてもカカにしても、その潜在能力で打開してくる。
やっぱり、それがハイレベルのクラブなのだと思う。
Q.次は3位が目標となったが?
ハイレベルな大会だから、なるべく上に行きたい。
4位より3位の方が、いいに決まっている。
うちにしてみれば、(世界の)ベスト4に入っただけでもすごいこと。
今日の結果は負けだが、ボカと対等に戦えたと思っている。
南米の大会でも、これほどの苦労した試合はそんなになかったと思う。
南米王者になることは、アフリカ王者になるよりも大変なことだから。