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つぶ貝で食中毒!?激しいめまいに手足のしびれ…隠された毒性とは

2025.02.11 公開

2009年5月、ある女性がタケノコを採っていた。炊き込みご飯を作り、近所の鮮魚店で買った新鮮なつぶ貝を煮つけに。その女性は、環境調査で野鳥を観察・記録している由美子さんに弁当にして届けた。

二人は昨日出会ったばかりで、元々バードウオッチングに興味があった女性が由美子さんに声をかけ、意気投合。嬉しくなって弁当を作り、差し入れに持ってきたのだ。

由美子さんはこの弁当を食べ終え30分が経った頃、急なめまいに襲われた。その症状はどんどん酷くなり、車の中で収まるのを待ったが目が開けられなくなり、さらに手足がしびれ力が入らなくなった。

由美子さんは脳梗塞を疑った。医療関連の知識が豊富な彼女は、手足の痺れ、脱力感などから最悪の事態を想像。しかし、ここは山奥で携帯電話の電波もなく、救急車に電話もできなかった。

そこで冷静になり自分の知識をフル活用。食が原因だとは知らない由美子さんは、脈を計り、両腕を同じ高さに上げて症状を確認した。次にギランバレー症候群を疑った。

症状はさらに進行し、指先も足先もほとんど動かなくなっていた。通行人がただならぬ様子に気づき、病院へ連れて行ってくれた。

病院では脳の専門医や耳鼻科医など、医師が代わる代わる診察。脳梗塞の疑いを捨てきれずMRI検査も行われたが、脳に異常は見つからず。医師にも原因が分からない中、由美子さんは以前友人から聞いた「つぶ貝を食べると酔うみたいになることがあるんだって」という話を思い出していた。

そして今回の症状の原因もつぶ貝と判明。つぶ貝には唾液腺と呼ばれる部分があり、そこにテトラミンという毒が含まれている。つぶ貝の身の真ん中に包丁を入れて開くと、ちょうど色が変わっている部分が唾液腺だ。

この唾液腺は肉食のつぶ貝にとってはとても大切なもので、餌となる獲物が近づいてくると、唾液腺の毒を使い獲物を麻痺させて食べるという。

人がこの唾液腺を食べてしまうと、個人差はあるものの、時に頭痛や嘔吐、めまい、足のふらつき、しびれや麻痺などを伴うことがある。

症状は食後30分から1時間ほどで発症、数時間で回復し、死に至ることはないとされている。しかしテトラミンは熱に強く加熱しても毒性が消えることはないため、対処方法としては、つぶ貝を調理する際に唾液腺を取り除くしかない。このことは厚生労働省のホームページでも注意喚起がされていて、東京都の保健所でも啓発されている。

つぶ貝の唾液腺は必ずしも発症するわけではないが、調理する際は唾液腺を取り除くことが推奨されている。

由美子さんに差し入れをしてくれた女性はその唾液腺の事を知らずそのまま調理し差し入れしてしまったのだ。一緒に食べていたが、つぶ貝は個体差で毒性が違うと思われ、この女性には症状が出なかった。

つぶ貝による食中毒と診断された由美子さんは点滴による処置を受け、症状は回復。その日のうちに帰宅することができた。

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