英国演劇界で最も権威のある「ローレンス・オリビエ賞」の授賞式が4月2日(現地時間)、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われ、スタジオジブリのアニメーション映画「となりのトトロ」を舞台化した「My Neighbour Totoro」が、最優秀作品賞、演出賞、衣装デザイン賞など最多の6部門を授賞しました。また、今年11月からロンドンのバービカン劇場で再演されることも決まりました。

 ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)のプロデューサー、グリゼルダ・ヨークは授賞式で、この舞台の発案者でエグゼクティブ・プロデューサーを務める久石譲を讃えたうえで、「『となりのトトロ』は優しさと勇気とイマジネーションのお話です。我々は、この魔法のような素敵な舞台を作る作業に関わって下さった数多くの人たちに未来永劫、感謝を捧げます」と語りました。

 授賞式に出席できなかった久石譲は、「作品賞をはじめ、多くの賞を授賞したことはとても喜ばしいことです。RSCや関係者の皆さんに心からの祝福と感謝の気持ちを送ります」というコメントを発表しました。また、最優秀衣装デザイン賞の中野希美江は授賞後のインタビューで「映画の世界を大切にすること、生地などの質感にこだわることを重視して作ってきました。特に、映画の舞台である昭和30年代の日本については、多くの材料を集め、研究しました。演出、パペットを含め、皆のチームワークがあっての賞だと思っています。本当に嬉しいです」と喜びを語りました。

 授賞したのはほかに、最優秀舞台美術賞、照明デザイン賞、音響デザイン賞の各部門。2月に発表された演劇賞「第23回WhatsOnStage Awards」でも最優秀演出賞など最多の5冠を獲得していました。
 本作は今年1月の終演直後から再演を望む声が多数寄せられており、これに応える形で再演が決定。今年11月21日から来年3月23日まで、初演と同じロンドンのバービカン劇場で上演します。
 

【エグゼクティブプロデューサー 久石譲氏 コメント】
作品賞をはじめ、多くの賞を授賞したことはとても喜ばしいことです。
RSCや関係者の皆さんに心からの祝福と感謝の気持ちを送ります

【スタジオジブリ 鈴木敏夫氏 コメント】
ぼくらが信頼する久石譲さんがプロデューサーであること。
これを条件に、宮﨑とぼくは舞台化のOKを出しました。
「トトロ」を深く理解し、新たな命を吹き込んでくれたRSC、
そのキャスト、スタッフの皆さん一丸となっての授賞、本当にうれしいです。

【日本テレビプロデューサー 依田謙一氏 コメント 】
大きな評価をいただいたことに感激しています。
久石譲さんの音楽と、宮﨑駿さんの映画は、これまでもこれからも私たちの誇りです
 

  

Photo by Manuel Harlan © RSC with Nippon TV

My Neighbour Totoro ローレンス・オリビエ賞2023 授賞一覧
◆Best Entertainment or Comedy(最優秀作品賞エンタテインメント部門)- My Neighbour Totoro
◆Best Director(最優秀演出賞)- Phelim McDermott(フェリム・マクダーモット)
◆Best Set Designr(最優秀舞台美術賞)- Tom Pye(トム・パイ)
◆Best Costume Design(最優秀衣装デザイン賞)- Kimie Nakano(中野希美江)
◆Best Lighting Design(最優秀照明デザイン賞)- Jessica Hung Han Yun(ジェシカ・ハン・ハンユン)
◆Best Sound Design(最優秀音響デザイン賞)- Tony Gayle(トニー・ゲイル)

My Neighbour Totoro 再演
会場:ロンドン・バービカン劇場
日程:2023年11月21日(火)~2024年3月23日(土)

舞台「となりのトトロ」について
本作は映画で音楽を手掛けた作曲家の久石譲が舞台化を提案し、宮﨑駿監督がこれを快諾したことで始まったプロジェクト。久石譲のもと、イギリスの名門演劇カンパニー、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)と日本テレビが共同製作し、舞台化しました。昨年10月から今年1月までロンドンのバービカン劇場で上演した舞台は、久石譲の音楽、原作を尊重した世界観、そしてRSCならではの作劇力で観客の心をつかみ、13万3,000枚のチケットは完売、連日万雷の拍手とスタンディングオベーションが続きました。

初演 メインスタッフと上演データ
エグゼクティブ・プロデューサー:久石譲
原作:宮﨑駿「となりのトトロ」
音楽:久石譲
脚本:トム・モートン=スミス
演出:フェリム・マクダーモット
製作:ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー/日本テレビ
美術:トム・パイ、衣装:中野希美江、照明:ジェシカ・ハン・ハンユン、ムーブメント:山中結莉、舞台にはバジル・ツイストによって創られたパペットが登場。さらに誰もが知る久石譲の音楽をウィル・スチュアートが新たにオーケストレーションし、ライブ演奏の音響デザインをトニー・ゲイルが担当。
会場:ロンドン・バービカン劇場
日程:2022年10月8日(土)~2023年1月21日(日) ※全118回で133,000人を動員(完売)

となりのトトロ/My Neighbour Totoro
1988年公開、宮﨑駿監督のアニメーション映画。音楽は久石譲。病気の治療で病院にいる母親の近くに住むため、郊外へ引っ越してきたサツキ、メイの姉妹が森で出会った不思議ないきものトトロとの交流を描く物語。

ロイヤルシェイクスピアカンパニー/ Royal Shakespeare Company (RSC)
シェイクスピア生誕の地、英のストラットフォード・アポン・エイボンを拠点とする英国の代表的な演劇カンパニー。
シェイクスピア作品のほか、現存の劇作家による新作の上演や、演劇プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュの共同製作したヒット作品「レ・ミゼラブル」や「マチルダ・ザ・ミュージカル」など、世界中で愛される良質な作品を産み続けている。

フェリム・マクダーモット/Phelim McDermott(演出)
1963年、イギリス・マンチェスター生まれ。「真夏の夜の夢」をはじめとしたシェイクスピア作品のほか、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場でのオペラ作品「アクナーテン」(音楽=フィリップ・グラス) 、ブロードウェイミュージカル「アダムス・ファミリー」などを手がけている。「となりのトトロ」で第23回WhatsOnStage Awards最優秀演出賞授賞

 

JOE HISAISHI AND ROYAL SHAKESPEARE COMPANY
PRESENT STUDIO GHIBLI'S
MY NEIGHBOUR TOTORO
IN COLLABORATION WITH IMPROBABLE AND NIPPON TV  
Adapted for the stage by Tom Morton-Smith
from Hayao Miyazaki's feature animation

 

 

以上
日本テレビ放送網株式会社 社長室 広報部