第67回 日本推理作家協会賞(平成26年度)の「評論その他の部門」において、当社の清水潔著の『殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮社刊)が受賞し、その授賞式が、本日5月21日、都内某ホテルの会場で行われました。
日本推理作家協会賞は、毎年日本推理作家協会が授与するもので、1948年からその年発表された推理小説の中で最も優れていた作品が受賞しています。ノンフィクションである本書が、ミステリー界で最も権威ある賞を受賞したことになります。
本書は、栃木県足利市、群馬県太田市という隣接する2市で、5人の少女が姿を消した事件を追い、葬られようとしている凶悪事件の真相を白日の下に曝し、司法の闇に迫ろうとするドキュメントです。半径10キロという限定された地域で、大半の誘拐事件がパチンコ店、ほとんどの遺体が河川敷で発見、など共通項は多いものの、犯人はいまだに逮捕されていません。
本件が知られざる大事件となった原因の一つは「足利事件」にあります。この事件を独自の視点で冤罪ではないかと検証、再審から無罪へとキャンペーン報道を行ったのが当社の記者である清水潔です。清水は「足利事件」を含む北関東の一連の事件を同一犯による犯行と推測、徹底的な取材の結果、あぶりだされた犯人像は国会でも議論されました。
<清水 潔 報道局 記者・解説委員 受賞コメント>
テレビ取材に端を発した報道が書籍となり、ノンフィクションにも関わらず、歴史ある賞で高い評価を頂き嬉しく思います。今回の受賞をきっかけに本書が多くの人の目に触れることで、類似事件の再発防止につながることを願って止みません。
そしてあらためて、被害にあった少女達のご冥福をお祈りします。
『殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮社刊)
【清水 潔(しみず きよし)】
1958年東京都生まれ。ジャーナリスト。新潮社「FOCUS」編集部を経て、現在は日本テレビ報道局記者・解説委員。「FOCUS」誌連載「交通大戦争」で警視総監感謝状。「桶川事件」取材記事と『遺言―桶川ストーカー殺人事件の深層―』で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」「JCJ大賞」受賞。「北関東連続幼女誘拐殺人事件」報道及び「足利事件」の冤罪キャンペーン報道で「日本民間放送連盟最優秀賞」「同テレビ報道番組優秀賞」「ギャラクシー賞」、「文藝春秋」での連載で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞」受賞。
〈作品〉
書籍
「遺言―桶川ストーカー殺人事件の深層―」2000年新潮社刊
(04年文庫化にあたり「桶川ストーカー殺人事件―遺言―」に増補・改題)。
雑誌
「冤罪足利事件」(「文藝春秋」10年10月号~11年9月号)
「伝えきれなかった『津波の現実』」(「新潮45」11年7月号)等。
以上
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