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課長 島耕作2-香港の誘惑-

2008年10月1日 放送
ストーリー

あれから2年後。

現在島耕作は経営戦略室に異動していた。

2年前、ショールームの課長に昇進したばかりの島に待ち受けた会社存亡の危機…。韓国電機メーカーの敵対的買収の危機にクビを言い渡されながらも会社を救った島だったが、そこが見込まれ新事業の立ち上げという重大な任務を任される部署に配転されていた。所属の上司は中沢部長。彼もまた取締役となり島をその部署に配属させたのだった。

そこは現代の企業が生き残ってゆくための新しい戦略を立案する部署だった。そして、今回は香港のネット会社買収の任務を言い渡された。総額2000億円とも3000億円とも言われる物件。香港ワンダラー社という会社だが、インターネットの検索に優れ、ネットとTVを融合して新型商品の開発販売を目論む初芝電器にとって、将来を担う最重要物件ともいえた。しかも、植樹や太陽光発電等、地球環境に優しい企業で企業価値はイメージ高く、初芝電気の株価にも好影響を与えるものだった。

しかし、ワンダラー社は調べてみると謎に満ちていた。
会長のバクスター・ゴードンは決して姿を見せない経営者として知られていた。また社長のチャン・ユエリンも絶世の美女でその美しい肉体で次々と男を手玉に取って利益を上げたと評判の女だった。その部下達も超優秀だが変人が多く、他企業や財界とは一切接触せず独自の路線を堅持していた。

案の定、交渉は難解を極めた。ワンダラー社は次々と条件を吊り上げた。1株70ドルの相場にもかかわらず、90ドル以上を提示し、初芝側が譲歩して条件を譲ってもその裏をかくようにもっと難しい条件をぶつけてきた。ようやく辿りついた条件は、総額500億もの金額の差があった。驚いたことには、ライバル会社東立電工にまで、話を持ち込んでいるらしいのだ。

当然初芝電器はゆれた。役員会でも香港ワンダラー社の担当者の変更も検討された。島、そして、担当重役の中沢も極地に陥った。クビや左遷までささやかれる中沢だ。反中沢派の松本専務はその頭初担当責任者となっていたのだが、大泉社長に変更を言わたされていた。彼の中沢や島の能力を疑う様な攻撃は続いた。特に松本専務は、苫米地前社長の派閥だった彼の返り咲きの時の動き、その寝業師ぶりはあまりにも有名だった。そしてそれ以上に、井上副社長の派閥も島たちを責め挙げた。会社は権謀術数にみち、魑魅魍魎といえた。

その矢先、大泉社長が病に倒れた。中沢を抜擢したのは大泉だった。派閥抗争に明けくれるこの会社の将来を案じていた唯一の良心派の大泉だったが、社長交代も時間の問題とみられはじめた。ワンダラー社の交渉の行方はますますあやぶまれていた。

そんな島のもとに訪れた…ひとりの女。

大町久美子だった。彼女の情熱的な眼差し…。島の唇を突然奪った。

あの事件(2年前、島が韓国企業の敵対的買収から会社を救ったあの日)以来、母の薦めで、日本を離れニューヨークへ語学留学していた。その再会は島を喜ばせた。そんな情熱的な彼女を島はこよなく愛しく思った。妻とは別居して娘とも離れ離れのままで生活を続け、企業の戦争の真っ只中で苛酷ともいえる島の生活にとって離れられないものとなっていった。

たまゆらの恋でもいい…2人は逢瀬を重ねた
その二人をジッと見つめる目があった…大町久美子の母、愛子だった。愛子は娘の久美子をある人と結婚させたがっていたのだった。

香港ワンダラー社の買収交渉は、香港から東京と舞台を移し激化していった。初芝もいまさら撤退出来ない状況だ。ライバルの東立電工は企業5位。業界3位だがトップを目指す初芝電器にとって必ず成功しなければならない案件となっていった。交渉はねばり強く続いた。中沢を最高責任者として再度任せられていた。

大泉のたっての希望、そして木野会長のバックアップがあったのだ。この二人には会社の将来を考え、ある計画を立てていた。

島と中沢は話あっていた。
こんなに交渉が難航するのは社内の情報を誰かが漏らしているに違いない…スパイがいるに違いない。それが誰か付きとめる。その為にニセ情報を流し、その情報で交渉したふりをし、交渉の席でその通りに提示する。この方法でフェイクをかけあやしい社員にぶつける。そして、スパイを炙り出す。

もちろんその任務は島に任せられた。スパイは香港支社の数人か? それとも経営企画室の人間か? 部下か上司? それとも?! その情報をつかめるのはごくわずかの人間だ…。
そして、そこには悲しい事実が隠されていた。

島の買収交渉はうまくいくのか?
そして久美子との愛の行方は?
中沢の運命は? 大泉の命は? 木野の計画とは? 松本の反撃!?
そして大町愛子の狙いとは? それぞれの思いが絡み合って一本の糸になる。
そしてドラマは再び香港へ。
香港の夜の街が、妖しく微笑んだ…。

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