陸上部の週末合宿を計画したものの他の部員たちにすっぽかされた不動高校3年の七瀬美雪(上野樹里)が、舞蘭村という山間の村にやってきた。送迎用のマイクロバスしか交通手段がない合宿先の名は、廃墟ペンション『ルーウィン』。比良川透(篠井英介)という人物がオーナーのこのペンションで働いているのは、従業員の湊青子(星野真里)、バイトの貴船葉平(江成正元)の2人。美雪はこの葉平と友達で、ここを合宿先にしたのだ。
ペンションに到着した美雪は、さっそくバスで一緒だったフリーライターの猫間純子(小西美帆)、カメラマンの流山森太郎(保阪尚希)、休暇中の警視庁警部・剣持勇(加藤雅也)、そして、遅れて自転車でやってきた幼馴染みで同級生の金田一一(亀梨和也)と共に、近くにある廃病院を見物。中で、先に来ていた医師の二神育夫(正希光)、ブティック経営の海谷朝香(山下容莉枝)と合流した一、美雪らは、まもなくペンションに戻った。
夕食時、1階のダイニングに集まった客は、一らと、ペンションにいた安池薫(矢島健一)の8人。さらに食事が終わった頃、緋色景介(中村俊介)という客が到着した。
オーナーの話によると、吸血鬼伝説がある舞蘭村は、現在廃村になっており、住民は比良川ら3人のみ。ホテルの前オーナー夫婦が自殺した後、その残された娘で心臓病の少女・辻由利亜(加藤ローサ)が6年前に死亡。その首筋に、噛まれたような痕があり、体内に一滴の血液もなかったことから、恐怖に震える住民たちは徐々に村から去り、ついに廃村になったという。一らが泊まったペンションは、由利亜が死体で見つかった廃ホテルを改装したものなのだ。
第1の事件が発生したのは、美雪が1階の浴室に入ってしばらくたった午後11時頃のことであった。窓の外に吸血鬼がいたとの猫間の目撃証言があって程なく、浴室に行った青子が、鮮血で真っ赤に染まった湯船を発見。その後、海谷の絞殺死体が2階の客室で見つかったのだ。死体のそばには、気絶した美雪が倒れており、2人の首筋には噛み傷のような跡がある。二神の検死によると、海谷の体内にはほとんど血液が残っていなかった。
2階への通路は、客らが集まっていたラウンジの階段だけで、ここを通り2階に行ったのは安池ひとり。だが、疑われた安池は、犯行を強く否認した。その後、再び吸血鬼騒ぎが発生。吸血鬼を追った剣持は、脚を負傷してしまった。
翌朝、電話が通じず、またバスなどが破壊されていたことから、恐怖を感じた猫間が徒歩で村からの脱出を試みた。ところが、道路や森の中などいたる所に罠が仕掛けてあり、脱出は不可能。『この村から出るものは死ぬ』との血書の看板を見つけた一らは、村が完全な孤立状態になっていると気付いた。
やがて、密室状態だった美雪の部屋で、海谷と同じように血を抜かれた二神の他殺死体が見つかった。部屋の鍵を持っているのは美雪だけだったことから、客たちの間で、2つの事件に関係している美雪が犯人ではないかとの疑惑が急浮上。安池や猫間に迫られた美雪が負傷したことから、一はようやく捜査活動を開始した。しかし、またしても殺人事件が発生して―。