2008/12/10 母と暮らした晩年の地 |
神奈川県北鎌倉。歴史深い静かな地で、 映画監督、小津安二郎は、晩年を過ごしました。 |
親友である志賀直哉や撮影仲間が暮らすここに 独り身の彼がやってきたのは、昭和27年、48歳のとき。 |
間もなく小津は、千葉で一人暮らしをしていた母親、 あさゑを引き取ります。 |
そして母子ふたりだけの生活が始まりました。 |
照れ隠しから、人には母のことを 「ばばあ」と呼んで憚らなかった小津。 |
しかし彼は外で殆ど食事を摂らず、 母親のためによく土産を買って帰りました。 |
平穏な日々のなかにそっと息づく、ささやかな幸せ・・・。 けれどやがて別れが訪れます。 |
母の突然の死。 悲報を受けた小津は、真冬の夜、 外の洗い場で顔を洗い続けたのです。 |
その一年後。後を追う様に、この世を去った小津安二郎。 彼の魂はいまも、母親と共に眠っています。 |
「ははと子の 世帯久しくこの夏も 北鎌倉の夕蝉を聞く」 |
国:日本 神奈川県北鎌倉
人:小津安二郎 母と暮らした晩年の地
人:小津安二郎 母と暮らした晩年の地
曲名:森の音色
作曲:福島 裕子 |