2010/11/17 作家の眼差しを育んでくれた家 |
ロシア南部。交易で栄えた古い港町、タガンログ。 |
「かもめ」「桜の園」などの作品で知られる作家チェーホフは 今から150年前、この町で産声を上げました。 |
町外れ、質素な住宅街の一角に、 彼の一家は雑貨店を開いていました。 |
チェーホフは幼い頃からよく、この店を手伝ったといいます。 立ち飲みが出来るここには、実に多くの人が集まってきました。 |
ある者は貧しさを嘆き、 ある者は酔いに慰めを求め、 ある者はささやかな幸せを謳う。 そんな庶民たちの営み・・・。 |
店の二階には自宅がありました。 几帳面な母の手によって整頓された静かな空間。 |
しかし少年チェーホフは、階下から聞こえてくる 賑やかで哀愁に満ちた庶民の姿にこそ、 心惹かれたのではないでしょうか。 |
生涯、人間をやさしく見つめた作家、チェーホフ。 彼の温かな眼差しは、この家が育んでくれたのかもしれません。 |
国:ロシア タガンログ
人:チェーホフ 作家の眼差しを育んでくれた家
人:チェーホフ 作家の眼差しを育んでくれた家
曲名:杏子ときな子 〜コンビの始まり〜
作曲:服部 隆之 |