2011/06/01 悲しみの地 |
イタリア北部の街、モンツァ。世界最速を競うFIレースが 行われるサーキットがあります。 人は、ここをフェラーリの聖地と呼びます。 |
地元イタリアのフェラーリがF1で優勝するたびに、 スタンドは歓喜と賞賛の渦に包まれました。 |
しかし創始者、エンツォ・フェラーリは、 この栄光と引き換えに、深い悲しみを味わっていたのです。 |
世界最速への夢半ばで、相次いだレーサー達の事故死。 仲間の早すぎる死を目の当たりにして、 己の信念が揺らぎはじめていました。 |
そして1956年、更なる悲しみがエンツォを襲いました |
エンジンの開発を担当してきた息子・ディーノが、 24歳の若さで、この世を去ったのです。 |
エンツォは人目をはばからず泣き、 こう叫びました。 |
「レーシングカーに対する興味は永遠に消え失せた!」 |
間もなくエンツォ・フェラーリは、公の場に一切姿を 見せなくなります。 世界最速の夢を抱き、ひた走ってきた男の、 人生最大の挫折でした。 |
国:イタリア モンツァサーキット
人:エンツォ・フェラーリ 悲しみの地
人:エンツォ・フェラーリ 悲しみの地
曲名:トラジェディー 作曲:佐橋俊彦 |