2012/09/26 「夏の闇」を構想した地 |
満々と水をたたえる、新潟県奥只見湖。 ここに作家、開高健は1970年、39歳の時にやってきました。 |
手つかずの自然が、大のお気にいりだった開高。 この人里離れた地を訪れたのには、目的があったのです。 |
開高が宿をとった、民宿の離れ。 彼はここで小説の構想を練ったのです。 心に深い爪あとを残した、ベトナム戦争の記憶と向き合って。 |
電気も電話もない、社会から隔絶されたような暮らし。 開高は毎日、内なる自分と語り合います。 ベトナム戦争とは何だったのか。あの強烈な体験は何だったのか。 |
翌年、開高はベトナムへの思いを込めた 代表作「夏の闇」を発表します。 |
「これを第二の処女作とする気持で 四十歳のにがい記念として書いた」 |
開高健はこの地でひとり、戦っていました。 彼のなかのベトナム戦争に、終止符を打つために。 |
国:日本 新潟県魚沼市 人:開高健 「夏の闇」を構想した地 |
曲名:チームの目標
作曲:浜口 史郎 |