2012/11/28 恋心をしたためた地 |
海風が吹く九十九里浜。茅葺屋根の建物は、 作家、芥川龍之介がひと夏を過ごした、宿の離れです。 |
彼が避暑の為に、この地にやってきたのは24歳、 大正5年のこと。 |
すでに「羅生門」「鼻」などを発表し、 新進気鋭の作家として、注目を集めていた芥川。 |
そんな彼が、ここでは胸を高鳴らせ、 一通のラブレターを書いたのです。 その相手は、8歳年下の16歳の女学生、塚本文。 |
文のふわりとした優しい笑顔を想いながら、 芥川は、抑え切れない熱い気持ちを、手紙に注ぎました。 |
「僕は 文ちゃんが好きだと云ふ事です。 勿論昔から好きでした。今でも好きです」 |
この二年後、芥川の恋は実を結び、 彼は文と結婚しました。 |
いまも、変わらぬ風景に抱かれる、この宿。 ここには、芥川龍之介の青春の1ページが、刻まれています。 |
国:日本 千葉県長生郡一宮町 人:芥川龍之介 恋心をしたためた地 |
曲名:オカンの嫁入り
作曲:延近 輝之 |